ねぇおばぁちゃん


おばぁちゃんちで飼っていた犬
名前なんて言うんだっけ



おじいちゃんは籠職人だったけど
生計を立てるには
おばぁちゃんがどれだけ畑を耕していたんだろう



おじいちゃんが戦争に行った時
どうやって子供達を守ったんだい



おじいちゃんが亡くなった時の
おばぁちゃんの顔
私全然思い出せないや


追い掛けるように亡くなったけど
今はあの世で仲良くやってるかい





ねぇ伯母さん


伯母さんの確か一人目の女の子の赤ちゃん

生まれてすぐに天国に逝ってしまったね


だいぶ経ってから男の子が生まれて


生き延びてくれるか
毎日が怖かったと言っていたね





ねぇおばちゃん


長年連れ添った既婚の彼を
看取れた時
どんな表情をしてたんだい


いつも笑顔しか見せない貴女が
泣くなんて

おばぁちゃんのお葬式の時しか
私 見た事ないよ



未だに 船の模型を捨てられずにいるね


もしおばちゃんにもしもの事があったら
私が必ず
模型を一緒に持たせてあげるからね





なぁお前


余命半年の命だと宣告された時

腹を括ったと言っていたけれど


ホントは怖えよって
本音を漏らした時


どんなツラして泣いてたんだ






ねぇお義母さん


癌で胸を切除したのを
ずっと私に隠してたよね


私は貴女の胸を
きちんと見た事はないけれど
私の息子が言っていた



ばぁば、一つおっぱいがなくて
可哀想だったと






ねぇおじさん



おじさんの家が震災で全壊して
お金も全部盗まれて


それでも
毎年新鮮な魚を送ってくれるよね



私の就職祝いをしてくれた
あの割烹は
今でも忘れていないよ





ねぇお母さん



あなたの娘が死にたいと言って


あなたはどんな気持ちだったのかな



私だったら
心臓が抉られるより
辛いよ


耐えられないよ








今日さ

嬉しい事が三つあって

でも悲しい事が十個あって



毎日毎日マイナスさ




人の痛みは
同じ立場にならないとわからねぇ



私はまだまだ未熟だ




悲しい事がどんなにあろうが

必ず毎日一つ

嬉しい事が

あるぢゃねぇか






今日長男の宿題で

" 助かった命 "

とゆう題材のお話




阪神淡路大震災の時の事

３.１１ の時の事


沢山ママはお話したね




どんな生命も

かけがえのない命




今ある生命を大切に生きる



生命に感謝する



今日ママ

少しお空の上の方が

楽なんぢゃないかって

久しぶりに思ってしまったの




でもね

大丈夫


私はお前達を守る責任がある


命尽くすまで

母業を全うするんだ





今日色々あり

次男をママは本当に怒った


距離が出るだろうなぁと思う程に




でもおやすみの前に次男は言った


" ママ 今日一回もギューしてない....."



二人で声を出して

泣きながら


ギューをした




今ある命を

大切に