どら焼き。
少し 身体に溜まった
膿を吐き出そう
この家に戻り
早6ヶ月
ようやく半年が経った
先週
コップの水が
溢れてしまい
私は家出をした
初めて
話し掛けてくる
子供達の声を無視した
もうこの家には
居られないと
告げるママに
長男はごめんなさい
ごめんなさいと
泣いていた
大雨の中
金の無い私は
充電が出来る
ファミレスに向かった
全身びしょ濡れで
泣き腫らし
真っ赤な目をした女
全身の力を無くし
今にも倒れそうだった
一人テーブルで
声を押し殺し
顔を覆い隠しながら
泣いている私
ファミレスにいる
周りの客から
冷たい視線を
ヒシヒシと感じた
仕事終わりの彼が
嗚咽並に号泣している
私の所にすぐに向かうと
車を走らせてくれた
落ち着け
大丈夫だ
俺がいるから
安心しろ
訳は聞かず
ずっと私の涙を
電話越しに
吸い取ってくれた
やっと呼吸が
落ち着いてきた頃
目の前に
8人の家族が
テーブルを囲んでいた
ばぁば じぃじと
ママ パパ
子供達
愉しそうに
楽しうに
笑ってるんだ
溢れ出す涙の中に映る
その光景が
あまりにも眩しくてね
なんで自分は
こんなんなのに
笑ってんだよ
やめろよ
そんな幸せな家族
見たくねぇんだよ
お願いだから
幸せそうな家族を
見せないでくれよ
悔しくて
情けなくて
惨めで
カッコ悪くて
胸糞悪くて
自分を責めた
その後
久しぶりに
彼と居酒屋に行った
もつ鍋のお店でね
全くアルコールすら
欲していない
精神状態だったけれど
初めて行くお店と
店員さんの
対応の良さや
美味しい料理
心が安らいできて
少し笑える様に
なってきた
翌日
何年ぶりかに
牛丼を食べた
外食を我慢し
なるべく自炊している
私には
充分すぎる
贅沢だった
帰宅したら
子供達は
寂しかったと
もうママが
帰って来なかったら
どうしようと
不安だったようだ
夜は寂しくて
二人して泣いたと
言っていた
子供達には謝った
家出をした理由の
ひとつに
子供達の事もあったが
不安にさせた事は
親として失格だ
でも 主人には
家出をした所で
何の効果も
意味もなかった
春休み
仕事をしながら
子供達の
お昼ご飯を
早朝に作っておき
留守番をさせ
帰宅したら
やらせておいた
勉強を見て
毎日色んな子供が
我が家に
遊びに来ながら
急いでご飯を作り
カーブスに行く
仕事は日に日に
覚える事が増え
結構あっぷあっぷで
白旗を挙げたくなる
でも
負けないで
頑張ると
決めたんだ
稼げる様になっても
相変わらず
お金の事で
主人とは揉める
私もっと
もっと
働かなくちゃ
ダメみたいだな
今 迷路に迷い込んで
八方塞がりで
身動きが
取れなくなっている
なんだか負担が
更に増えている
春休み
とにかく元気が出ない
もぬけの殻
今日は
とある事での
とっても大切な日
本当は
その日記を
書きたかったのに
意欲が湧かない
さっき職場で頂いた
どら焼きを食べた
粒あんの中に
バターが入っていて
甘さの中に
塩味を感じた
この塩っぱさに
なぜだか
ふと
ほろほろと
涙が流れた
甘さを
知っているから
しょっぱさを
感じられる
人生
酸いも甘いも噛み分ける
とゆう言葉がある
今私は
ちょっとしんどくて
耐え忍ぶ時期なのかも
しれない
しんどい中に
少しでも
面白さを
愉しさを
幸せを
見つけて
甘さを加えるんだ
涙はしょっぱい
でも
しょっぱいから
涙なんだ
それでいい
涙が出るのは
決して
悪い事ぢゃあねぇ
やまない雨はない
陽はまた昇る
雨空だったのが
外が晴れてきたぢゃねぇか
ほら
少し
ラクになっただろう
それでいい
お前は
こうゆう生き方しか
出来ないんだから
さて
夕ご飯を
作り出そうか
お腹をすかせた
子供達が待ってるぜ