" あっ！すみません…… "


暗がりの足元を
通る時


ポロポロっと
ポップコーンが
私の足元に落ちた


キャラメルポップコーンの
いい匂いがする


大きなバッグと
荷物で足元が
塞がっていた私


そそくさと荷物を持ち
足をすぼませる


通りすがりに
彼はまた言った



" 本当にすみません "


私の隣の席に座った



私は左脚を組むと

彼は右足を組んだ



ポップコーンを
口に含む指


飲み物をすする仕草


時折腕を組み
たまに
指を顎に当てる



同じ体勢が苦手な私は
しょっちゅう

足を組み替えたり
姿勢を直したり

左に身体を傾けたり


右は彼がいるから
辞めておこう



でもなんとなく右に
身体を傾けた



そうしたら
左肘を
椅子の肘掛けに乗せた




映画が終わり
座席から
立ち上がろうとすると


隣の彼が

" 結構ポップコーン
こぼれちゃってましたね
ホントすみません"


って
薄明かりの中で
初めて目が合った



" こんなにこぼしちゃったら
勿体ないですね "


私こんな感じの事
言ってたんだっけ



外は今日の様に
少し蒸していて

でも
ちょっと風があって
気持ちいい


彼は言った

" 少し風に当たって行きませんか "



そんなナンパみたいな事を
言い放つ風貌では
決してない



外の広場には
沢山木があって
所々が
ライトアップされていて


２３時台の
この夜が少し
ロマンチックに感じた



映画の感想を話し
たわいもない
会話をして


でもなんか
居心地が良くて


昔から
知り合っている様な
どこか
懐かしい感じもした



チノパンにポロシャツ

黒い腕時計



少し背が高くて
痩せ気味で
でもイケイケでも
口うるさい訳でも無く


落ち着いた
大人の人だった



ナンパとかそうゆう
厭らしいものではなく


人と人として
楽しく
ただ愉しく


その空気感を楽しみ
ただ会話をした



彼は指輪をしていた



私は携帯の時計を見た


もうすぐ終電



女の第六感が働いた



" このまま一緒に居たら

必ず 恋に落ちる "



私には大切な人が
いたから
帰らなくちゃ


寄り道してる
場合ぢゃない




" ぢゃあ ！

楽しかったです！

さよなら "




そう言って笑顔で

手を振り

足早にその場を後にした



後ろは

振り向かなかった




でも

本当は

わかっていた


第六感は

ずっと前に





ポップコーンを

落とした

その時に




❁⃘*.



シ ラ ミ ラ ソド

レ ー ミ ファ

ソ ラ シ ド レ ミ ラ



今日

映画のエンディングで

坂本龍一さんの音楽が

流れた時に


ふと昔の出来事が

蘇った



なんでだろうね


注 )

こうゆうのを

新手のナンパと言います

てなコメントはダメよ🤭



ちなみさんの中では

いちおう素敵な

記憶なんだから🤭



ってな訳で

目が怪物君なので←意味不🙄w

Monsterに化ける前に

寝ましょ




おやすみなさい

皆さん 良い夜を(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”☆。.:＊・゜