隣で小さな寝息を
立てるあなた


私の手を握ってスヤスヤ
可愛い顔をしてる


眠っているあなたを
起こさぬ様に

その手をゆっくり解き
私はベッドの左端に
顔を伏せる



少し乱れた髪の毛も
腕を曲げる寝姿も
どんな姿も愛おしい



毎回私のいびきと
寝相が酷くって
あなたは眠れない朝を迎える


目の下のクマを見る度
申し訳なくて仕方がなかった



急に一晩 過ごせる事になって
私は明日の仕事の用意で
頭がいっぱいだったから

大切な薬を置いてきてしまった


今日は朝まで
一睡も出来そうにないや


昨日もほとんど寝てないから
明日の仕事は大丈夫かな
倒れないように
気を付けないと



でもね
目が重くって
フラフラして
気持ち悪くって
身体はしんどいのに


心はあったかいんだ



あなたは
物音一つさせていないのに

時折 目を覚まし
私が眠っているかを
確認してくれるの


手を握ったり
頭をポンポンしてくれたり


それでも今日は
眠れないみたい


そのうちあなたは
またスーッと
小さな寝息を立てる




私といると眠れない夜を
あなたは今迄
どんな気持ちで
過ごしていたのかな



私はね
とっても幸せだよ




今 涙脆くて
色んな事で辛くて辛くて
泣かない日はない
毎日だけど


愛おしくて 愛おしくて


背中を向け
腕組みしながら
寝息を立てるあなたを見て


ゆっくりと
涙が頬をつたう




あなたが
隣に居てくれるだけで幸せ



お風呂に入ったあとの
サラサラな髪

ちょっと伸びた髭

いつもは着ないバスローブ


いつもは言う事のない

" おやすみ "



そして

" おはよう "



今日はまだキスもしていない


あなたの耳元に
そっと唇を触れただけ


きっと明日もキスはしないね


そんな時があったっていいさ

本当は淋しいけれど



言葉にしなくとも
わかってる


1日、1日
一緒に繋がっていられる事で

深まる愛



瞼を閉じても
あなたが映ってる


本当はその髪に
触れたくて 触れたくて


何度も手が
伸びそうになるのを
我慢して



静かに眠る
あなたを
起こしちゃいけないからね



あなたの
クマがない
おはよう が
聞いてみたいから



小さな寝息