昔猫を飼っていたんだ

僕のことを兄弟の様に思っていた猫

僕が寝ている時は枕元に
両脚を揃えてずっと僕の顔を見ていた

カニカマが大好きで
冷蔵庫から取り出して
パリッて音がすると凄い勢いで
飛んできて足の周りを躰を擦り付けて
せがんんだ猫だった

或る日
窓から外を何気なく観ていると
内の猫と知らない猫が
一緒に遊んでいるのが見えた

カニカマと同じ位に好きな
ハンペンを持って外に出ると
案の定 内の猫が僕を見つけて
擦り寄ってきた
合わせて知らない猫も付いて来たけど
知らない猫は僕から
少し離れた場所に腰をおろした

僕は手のハンペンを二つに千切って
両手に持ち差し出したんだ

知らない猫はすぐに寄ってきて
僕の手の中に有るハンペンを
凄い勢いで食べ尽くした

僕は内の猫の鼻に付ける様に
ハンペンを差し出したんだ

彼は眼を瞑って頭を後ろに
そらしは始めた

驚いた
残りの大好きなハンペンを
友達に食べさせようとするなんて

なら残りを彼女に上げるね
と言って
友達の猫に差し出すと
さっきと同じ様に
サッと咥えて残りを平らげた

猫でもこんな矜持を持ち合わせてるんだ
見習わないとね

その後家で
何時も通り冷蔵庫を開ける音がすると
飛んできて何時もの様にせがんでいた
内の猫