飼い猫 二
或る日のこと
外から幼い子供の声
「おにちゃん つかまえて!」
外を覗くと
3歳位の女の子がいた
その前を走る5歳位の男の子
女の子の首からは
虫籠が緋で釣られて揺れない様に
しっかりと両手で抑えて
兄の後を追っていた
先を走る男の子の手には
身体から比べると
大きな捕虫網を肩に担いで懸命に
獲物めがけて走っている
その先は
小さなうちの飼い猫が
首に付けた鈴を揺らしながら
鞠の様に弾み弾み駆けている
余り速く遠くに駆け抜けてしまうと
幼い子供達が追い付けないのを知って
背後を振り返り振り返り
付いてくるのを確認しながら
楽しげに走ってるのを見て
僕まで微笑んでしまった
そんな清々しい初夏だった。