チェーン店の蕎麦屋で
座っている座席から見える張り紙に
日替わりコントメニューと書いてある。
XXXXX500
△△△△△500
○○○○500

視力が悪いせいも有り
日替わりメニューと書いてある張り紙を
日替わりコントメニューと
読んでしまっているのだなと
思ったので今一度読み直して見るが
日替わりコントメニューと読んでしまう。

周りに目を向けると
客が数人
厨房の中では
中年男性が二人働いているのが
目に止まった。

空想で
コメディアンが食い繋ぎのため
バイトをしていて
何とか売れようと苦心の末
自分達の芸を知ってもらおうと
張り紙をしているんじゃないか。

苦労しているコメディアンのコント
500円払って観ても良いじゃないか
観ようコント！

コントを注文した途端に
厨房で普通に働いていた二人の男性が
お客さんのオーダー途中にもかかわらず
仕事場から前に出て来て
生き生きとコントを初める
そのコントが余りにも可笑しく
腹を抱えて
笑えたらどんなに素敵な1日だろう。

しかし
何も心構えの無い
他のお客さんはどうなる？

突然の腹を抱える可笑しいコントで
食べている丼物を吹き出してしまう人
笑いをこらえて
蕎麦が鼻から飛び出してしまう人
むせ返って箸と丼を持ったまま
顔を真っ赤に俯く人
吹き出した物を向かい席同士で
被り合ってしまう笑えない店内

嗚呼
恐ろしい
そんに可笑しいコントなら早く観たい。

現実に戻り
食事を終えて盆を返却口に返し
帰りぎわに
その張り紙を間近で見ると
そこには

日替わりワンコインメニュー
XXXXX500
△△△△△500
○○○○500

と書いてあった。