【半ぐれ銀行マンの天下取り】 9 海棠常務との対決を制す
30代前半  大阪府
2025/12/05 0:14
【半ぐれ銀行マンの天下取り】 9 海棠常務との対決を制す
海棠の罵声は止まらなかった。

「懲戒免職になった時点で終わりなんだよ、前島!
銀行を甘く見るな! 組織の規律を乱し、女子行員を誑かし、
挙げ句の果てには娘まで毒牙に——」

そこまで言われて、立夫のこめかみがピクリと動いた。

胸の内で張り詰めていた糸がブツンと切れた。ぎり、と靴音を鳴らし、海棠と向き合う。

「……親父さんよ。そこまでだ。」五分刈りの立夫の眼光鋭く 持ち味のやくざ顔になった

声は低く 怒りで顔が紅潮している

「千賀子の父親だと思って黙って聞いてた。 だが、もう我慢ならない。」

千賀子が息を呑む。

「わかったよ。ここに来たのを後悔したぜ。

千賀子を連れて姫路に戻るよ。」

立夫は続けざまに叩きつけた。

「もう二度と顔出さないぜ。
千賀子も…生まれてくる子も、あんたには会わせない。」

「た、立夫さん……!」
千賀子は堪えきれず、ウワーーッと大声で泣き出した。

立夫は倒れそうになる 千賀子の腕を取り、踵を返した。
その瞬間だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ま、待ってくれ……前島君」

背後で声が震えた。

足を止めて振り返ると、あの冷徹な海棠常務が——
立ち上がり、机にもたれ、肩を落としていた。

顔色は青ざめ、声はかすかに震えていた。

「……わ、わしが言い過ぎた。
前島君……すまん。すまんかった。 怒りに任せて言ってしまったが 本意ではない」

千賀子は涙でぐしゃぐしゃの顔を上げる。
「お父さん……?」

海棠は千賀子を見つめ、喉を絞るような言葉を押し出した。

「わしにとって……千賀子は一人娘だ。 母親を早くに亡くし、寂しい思いばかりさせてきた。
今ここで“今生の別れ”など……あまりに辛すぎるんだ……」

立夫は黙ったまま、ただ海棠を見つめていた。

海棠は視線を立夫に戻し、深く頭を下げた。
「前島君……君の気持ちは分かった。
君が千賀子を想い、守ろうとしていることも……伝わった。だから——」
海棠は一度息をのみ、はっきりと告げた 
「君の希望通りに 支店長にするよ」

つづく
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コメント

60代前半  愛知県

2025/12/06 7:17

2. こんばんは。
愛娘には、代わるものないですから。
(^o^)

50代前半  愛知県

2025/12/05 7:19

1. 大好きなユリちゃん

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