【愛しの美香】 2 問い合わせ殺到
募集して2時間もたたないのに受信箱に な、なんと15通も!
おお!21歳、 24歳! こっちは19歳! どれもが家賃タダはほんとうですか?ときた
立夫は、応募メールの中で「19歳・学生」とあり、電話番号が書かれていた一文に飛びついた。
震える指でスマホを握り、番号を押す。
呼び出し音のあと、
「はい」
透きとおるような声。若い、とすぐに分かる。
「もしもし? あの…部屋貸しの件でメールくれた人かな?」
「はい。美香って言います まだ空いてますか?」
声は控えめで、少し緊張が混じっている。
立夫の喉はカラカラに乾いて、思わずごくりと唾を飲み込んだ。
「おお、空いてるけど」 今 けっこう問いあわせが来てるんや)
立夫は、わざと落ち着いたふうに声を低くした。
「そうでしょうね・・家賃、ゼロって書いてあったし それ…ほんとうに?」
受話器の向こう、まだ幼さの残る声。19歳という数字が頭にちらつき、立夫はニヤケまくるのをこらえた。
「ゼロやで!。光熱費も気にせんでええ。安心しいや」
「……あの、私、今ちょっと住むとこなくて。すぐでも見に行きたいんですけど」
「ええよ。いつでも大丈夫や。今からでもええで」
相手が息をのむような沈黙のあと、小さく、
「じゃあ…これから行ってもいいですか?」
「ええで! 大久保駅の8番出口や。出たとこで待っとるさかい」
電話口で立夫は、声を弾ませた。
「……わかりました。じゃあ30分くらいで行きます」
受話器の向こう、かすかに電車のアナウンスが混じる。もう移動中らしい。
「おう、気ぃつけて来いや」
電話を切ったあと、立夫は思わず立ち上がった。
(きたーーっ、ついに……! ほんまに19歳が来るんやろか?)
そもそも全く期待してなかっただけに こんなことあるんかいな と半信半疑
せんべい布団を蹴飛ばし、鏡の前で髪を撫でつける。
安物のポロシャツに着替え、口臭スプレーをひと吹き。
胸の鼓動がやけに早い。
(よっしゃあ! これで、俺の“桃源郷”の扉が開くんや……)
コメント
2025/12/07 6:56
2.
小説ワクワクします
返コメ
2025/12/06 21:34
1. そうこなくっちゃね。
(^o^)
返コメ