【米中激突】17 断末魔の日本 2
その日の午後三時――警戒レーダーが甲高い警告音を発した。
「高高度より高速接近! 極超音速体を確認!」「速度マッハ15超! 迎撃不能、間に合わず!」
山口県・岩国基地の防空隊員たちは叫ぶ暇もなかった。
次の瞬間、空が裂けた。
中国軍の最新鋭・極超音速滑空体ミサイル“東風-ZH”が、光の矢のように大気圏を滑り、岩国航空基地の滑走路中央に突き刺さった。
地響き。白い閃光。そして、すべてを吹き飛ばす爆風。
格納庫はねじれ、停留中の航空機は炎に包まれて黒い鉄屑と化し、
周辺の住宅街には衝撃波で窓ガラスが降り注いだ。
テレビは緊急速報で叫び続けた。
「岩国基地、甚大な被害――死傷者多数!」
広島、山口、九州北部の住民は震え上がった。「次は……どこが狙われる……?」
その頃、東シナ海の日本海軍(海自)艦隊は、ほぼ限界に近い消耗戦を続けていた。戦死傷者もすでに3000人を超え それらを救援する余裕もない
敵は群れをなす無数の無人機とミサイル。味方の弾薬は尽きかけ、燃料補給も困難。 隊員たちの顔は憔悴をきわめ、叫び声も枯れていた。
「これ以上は……持たねえ……」「味方艦がまた沈んだ! 救助に向かえない!」
海は、煙と鉄片と死体で黒く汚れていた。通信士が震える声で報告する。
「中国艦隊、前進中……旗艦と思われる艦より通信!」
副長が目を見開いた。「……本艦隊に降伏勧告だと?」
北京から、日本政府宛てに一本の声明が届けられた。
「日本政府に告ぐ。無条件降伏せよ。応じなければ、日本全土を火の海にする」
つづく