【半ぐれ銀行マンの天下取り】 17 婚約不履行
30代前半  大阪府
2025/12/09 23:05
【半ぐれ銀行マンの天下取り】 17 婚約不履行
二人の美女が礼儀正しく頭を下げ、千賀子が静かにその視線を受け止め——

立夫は「ああ、こりゃ近々“戦争”になるな」と腹の底で悟った。

明美・純子は微笑んでいるくせに、目の奥はまったく笑っていない。

(これが“信仰で鍛えられた眼”ってやつか……ある意味、銀行の監査部よりタチ悪いぜ)

そう思ったその時——スマホが震えた。

画面を見ると、そこには うっとおしい名前が表示されていた。

《福山 里美》 (……おいおい、ここで来るかよ )

立夫はため息をつき、部屋を少し離れた。千賀子も二人の美女も、なにか感じ取ったように黙っていた。

立夫は電話に出た。

「……立夫さん……?」

震えた声。 しかし次の瞬間、鋭く変わった。

「あなた、私のこと避けてるでしょう。 何度も連絡したのに! 婚約の話も 返事もなくて……!」

(おっと始まったか)

3年前 肉体関係を結んだ女だ 里美は短大を卒業したところだった きれいな女だと思ってたら お城の女王に選出され “遊び”で近づいたはずが、
立夫が惚れ 向こうも本気で立夫を惚れ込んでしまい、相思相愛になって 当然のように ラブホテル通いをした女で 両親に紹介され
それで、婚約の話まで進展した女だ

美人で、頭も聡明だ。だが——愛欲が重い。尋常じゃなく。エロに関して言えば異常なほどスキモノだった 男にとって 最高だろが!と言われそうだが
好きな度合いも 度を越えれば 疲れてしまうし 飽きも来る。

「すまん、いま忙しいんだ。支店のことで——」 里美は泣き声を含んだ怒鳴り声で遮った。

「忙しい? そんな言い訳いらないわ! 支店長になったようだけど 女もできたようね・・」
私の父が激怒しているのよ!“婚約不履行で訴えてやる”って……!!」

(とうとう来やがったか……)

里美の父は、福山鉄工所の社長。 短気で暴力沙汰も辞さない、
ある意味“海棠常務より扱いに困るタイプ”だ。

立夫は舌打ちした。

「落ち着け、里美。こっちはこっちで問題が上に積もってて——」

「関係ない!!私との婚約、結婚の約束…… 全部、嘘だったの? 遊びだったの?
私、あなた無しでは 生きていけないのよ……!!」

ヤバいトーンだった。震えた声の中に、“追い詰められた女の狂気”が混ざっていた。

さらに追い打ち。

「父は訴えるだけじゃ済まさないわ……!あなたの銀行にも乗り込むって……“前島を社会的に抹殺してやる”って……!」

立夫は額を押さえた。

(ちっ……このタイミングでかよ。海棠派の監視、美女特務二人、天下取り作戦……
そこに“私怨で牙をむく親父”か。人生ってのはほんと一気に波がくるな……) 苦笑いするしかない

「……わかった、里美。あとで必ず連絡する。なんとかする。だから、今は父親を止めてくれ」

「ほんとう……?ほんとうに私を捨てない……?」

「捨てねぇよ。今は動けないんだ。 支店のことで自殺者が出かねない状況で……」

その嘘は自然と口をついた。女は真剣に受け取ったようだった。

「……信じるから。絶対に裏切らないで……でないと……私、どうなってしまうか……」

電話が切れた。 立夫は深く息を吐いた。

リビングへ 戻ると、明美と純子は静かに立っていた。
まるで「今の通話内容をすべて察しました」と言いたげな表情で。

千賀子だけが、不安そうに立夫を見た。

「ご主人様……あの電話……」 立夫は片手を振った。

「私情の生産だよ。 だがまぁ……近いうちに厄介ごとになるな」

純子が柔らかな声で言った。「ご相談でしたら……私たち、お力になれますよ」

明美も笑う。「人間関係の処理は……私たち、得意ですから」

その笑顔が逆に怖い。 (ヤベぇ……この二人、本気で“処理”しそうだな)

だが同時に思った。

(……使える。
恋愛沙汰の火消しは、宗教特務の得意分野だ。 これは逆に……追い風かもしれねぇ)

立夫の脳内では、“海棠派の宗教特務”と “里美の親父”という二つの地雷を利用する計画が 静かに目まぐるしく 早くも動き始めていた——。
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コメント

60代前半  愛知県

2025/12/10 3:13

2. おはようさん。
女性増えてきました。
女難などなど、乗り越えられるか。
(^o^)

60代後半  鹿児島県

2025/12/10 1:22

1. 風雲急を告げるってところですね!

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