【愛しの美香】 28 示談の成立
2日後
立夫のスマホが鳴った。
画面には「畑中法律事務所」。息を整えて通話ボタンを押す。
「前島さん、ようやくまとまりました。施設側が全面的に非を認め、示談額は——2億円です」
「に、2億?」 しばし沈黙。 ほ、ほんまかい?」と聞き直した
あまりの金額に言葉が出なかったのだ
「はい、ほんまでっせ!」 畑中弁護士が大阪弁で 明るく返した
「精神的苦痛、監護義務違反、職員の不当行為を含めての算定です。 施設側も報道沙汰を避けたい様子で、早期解決に応じました」
「そうか、あんた、ほんまにようやってくれたな」
「いえ。明日、同意書を持参します。署名していただければ、即日、信託口座へ入金可能です」
電話を切ると、立夫は胸をなでおろした思いだ
隣で聞いていた美香が不安そうに覗き込む。
「おじさん……2億って、なに? 泥棒したん?」
「あほか! 違うわい」 立夫は笑った
、
「どうするかやな。これでようやく人心地がついたわ」
と言って、美香の頭を軽くなでた。
翌日、畑中弁護士が封筒を携えて来訪した。分厚い書類には「和解契約書」「守秘義務条項」「支払明細」が丁寧に綴られていた。
「前島さん、この欄に署名をお願いします」
立夫は「前島立夫」とゆっくり書き込み、印鑑を押した。その瞬間、長い過去が静かに終わったように感じた。
封筒を閉じ、湯飲みを手に取りながらぽつりと呟く。
「よし、美香、大阪へ行こう。」
大阪・堺の不動産情報誌をめくると、「譲渡希望 喫茶リーフ」という小さな広告が目に入った。
築30年の店舗。駅から徒歩5分。カウンター6席とテーブル4卓。
家賃18万円、譲渡金3000万円。
「ここや……ここにしよう」
立夫はその瞬間、はっきりと決めた。
美香が朝、練習に出かけ、夕方ふらりと帰ってこられるような——
あたたかい匂いのする居場所を。
「美香、喫茶店ってどう思う?」
「えっ、喫茶店? いいわぁ! おじさんがマスターになるの?」
「そうや。俺がコーヒーいれて、おまえがカウンターの看板や ビキニの水着や」
美香がギャハハハと 笑った。
その笑顔を久しぶりに見ながら、立夫は心の奥で自分とのひとつの約束を固めた。
美香が表の世界に出るのは、時折の大会のときだけでいい。
オリンピックなんてめっそうもないことや そんなもの絶対に出さん!
それ以外は、静かに、ふたりで生きていくんや。
ーーーーー
そうこうしているうちに
スポンサー契約の資料を抱えながら、慎重な口調で言う。
「前島さん、スポンサーの件ですが、四社が正式に契約書を用意しています。
ただ……写真撮影やCM出演が条件に含まれておりまして」
立夫は首を横に振った。
「写真だけならええ。でも、CMなんてとんでもない。あかん!」
田村が少しため息をついた。
「わかりました。では、写真素材のみに限定するよう交渉します。私は大阪でも、美香さんのマネージャー兼コーチとして帯同させてください。
オリンピックを目指すなら、今が大事な時期です」
「あのな 何回も言うけど、俺らは有名になりたいわけちゃう。静かに暮らしたいだけや」
「・・・・」
「それに あんた 東京を離れられる? あんたには世話になったけど これ以上はなあ・・」
田村の眼に怒りの光が帯びているのを立夫は気が付かない
立夫の本心を言えば 田村の視線の先が美香の胸や股間に射ってることに 少なからず腹立っていたのである
美香が着替えの時に手伝うと称し 田村に触られたと 聞くし スポンサー契約交渉についても 大阪で新たなコーチを見つけて 切ろうと思っていた。
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畑中弁護士の口座入金確認の連絡が来たのは3日後。
取引明細に「振込額:¥180,000,000」と表示されていた。
2憶で話が付き 2000万は畑中の手数料ってわけだ・・
(あの野郎 悪徳弁護士かい? ぼったくりやないか)
まあええわ・・これだけ貰ったら俺も文句はないわ・・
「よし。これで全部、片がついた。」
そして翌々週、
大阪 堺市の帝塚山の 商店街の一角に、「喫茶リーフ 改め 喫茶ミカ」と
新しい看板が掲げられた。上は3lDkのマンションでそれを住まいとした
(美香はおれのもんや 誰にも渡さん・・)
立夫は 溺愛の域をこえて それは狂気の域に入りつつあった
コメント
2025/12/14 11:27
5. >>3 やすさん
気に入らないと 来なけりゃいいのよ くだらんコメントすんなよ
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2025/12/14 10:48
3. >>2 yuriさん
エロいってポチ
出来ません(^_^;)
アダルトじゃなく普通日記しては?
設定間違い?
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2025/12/14 10:45
2. >>1 やすさん
どういう意味?
返コメ
2025/12/14 10:44
1. アダルト系?(^_^;)
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