【半ぐれ銀行マンの天下取り】  24  福山 里美を洗脳へ
30代前半  大阪府
2025/12/15 22:15
【半ぐれ銀行マンの天下取り】  24  福山 里美を洗脳へ
純子から報告を受けたとき、立夫は一瞬、言葉を失った。

「……里美が、司法書士に?」

正直なところ、驚きだった。 あの女が、そこまでやるとは思っていなかった。

事情は変わった

純子が里美を切りに行くのをやめさせた

立夫は、しばらく受話器を眺めてから、里美の電話番号を押した。

―――

「聞いたよ」 電話口で、なるべく穏やかな声を作った。

「司法書士、合格したんやってな。驚いたわ」

一拍の沈黙のあと、里美の声が返ってきた。 「……合格したら、結婚してもらえると思ってたのよ」

声が、震えている。

「それを裏切ったのよ。ひどい人……」 立夫は、息を吸い、吐いた。

「いいか。俺は、そんな約束した覚えはない」

一瞬、沈黙。 「……こんな言い方は卑怯かもしれんがな」

立夫は、続けた。 「俺はずっと、お前が好きやった。いつ言おうか、ずっと考えてたんや」

電話の向こうで、乾いた笑い声。

「あはは……よく言うわ。大うそつき」 「そんな気、これっぽっちもないくせに」

「ずっとあたしを――性欲のために、弄んだだけでしょ」

「違う!」 思わず、声を荒げた。

「お前の親父が、俺をロクデナシや言うて、一年以上見下し続けたからや!」

「お前が親父をけしかけて、銀行に怒鳴り込もうとしたんやろ!」

しばらくして、小さな声が返ってきた。

「……それは、ごめんなさい」

間があった。 「……で、なんで今さら電話してきたの?」

立夫は、口元を歪めた。 「そんなもん、決まってるやろ」

「お前が詫びたら……許してもええと思ったんや」

「……ヨリ、戻してくれるの?」 「ああ。そう思ってる「親父もな、怒鳴り込むのはやめたそうや」

長い沈黙。

やがて、里美の声が、泣き崩れるように落ちてきた。

「……わかったわ。詫びる」

「……あたし、あなたがいないと、もう生きていけないの……」

立夫は、受話器を握りしめた。

「……わかった。なら、来い」 場所を告げ、電話を切った。
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