【半ぐれ銀行マンの天下取り】 32 立夫の復讐第2幕
立夫は、グラスの氷が溶ける音を聞いていた。 同窓会の席で浴びせられた、あの薄笑い。
見下すような視線。 酒の肴にされた過去。
「……忘れてへんで」 低くつぶやき、立夫は顔を上げた。
「復讐相手は、二人や」 と純子と明美の二人を前に立夫は口火を切った
一人は――姫路市・都市計画課長。
もう一人は――三井銀行姫路支店・総務課長。
いずれも、あの席で立夫を「落ちた人間」として扱った男たちだ。
「都市計画のあの課長な」 立夫は、指で机を叩いた。「叩けば必ず埃が出る」
純子が黙って頷く。 「業者との癒着や。たかり、口利き、便宜供与……他、もろもろに いくらてもあるやろ!
「あと、家族関係。 借金、愛人、息子の進学、娘の就職…… なんでもええ」
立夫は、はっきり言った。 「純子、おまえがやれ」
「……分かりました」と 純子は ニヤッとした
「次は、三井や」立夫は、視線を明美に向けた。
「三井銀行の総務課長。それとその人事権を持っとる支店長」
明美は、資料をすでに開いている。「総務課長は、人事・経費・内部監査に口が出せます」
「せや」
立夫は、冷たく笑った。「つまり、不祥事を隠せる立場や」
裏返せば――隠しているものがある。
「パワハラ、経費不正、接待、部下への圧力、愛人囲い……全部洗え」
明美は、短く答えた。
「はい」
「三井は、うちのライバルや」立夫は、椅子にもたれた。
「信用が揺らげば、預金は動く」
噂一つ。記事一行。内部告発――。それだけで、企業も個人も、金の置き場を変える。
「三井がこければ、その分――うちに流れる、道理やろ?(笑)
「わかりました!」 と 明美も ニターとした
つづく