【半ぐれ銀行マンの天下取り】 37 里美司法事務所が本格始動・・爆発的仕事量
里美の司法書士事務所が、動き出したのは、水田の事務所に行ってから
一週間も経たなかった。
まずは 銀行からの登記手続きだった。 水田の事務所で処理されていた案件が、
ごそっと、こちらに回ってきた。
「……こんな数、聞いてませんよ」
里美は、机に積み上がる書類を見て、思わず声を上げた。
一か月で、百五十件。
しかも、姫路支店だけではない。 周辺支店の提携先、関連企業までまですべて含まれている。
抵当権設定。抹消。所有権移転。
そこに、マンション、一戸建て、分譲案件の表示登記が加わる。
書類は、途切れることがなかった。
銀行がこれからは 「この司法書士でやってくれ」
その一言が出た瞬間、拒否という選択肢は消える。
担当部署は、理由を聞かない。
聞かなくても、分かっているからだ。 ——どこが噛んでいるかを。
中でも、住〇不動産からは、 異常とも思えるほどだった。 播州興産の情報流した お返しとばかり ものすごい量の依頼だ
里美は、ついに悲鳴を上げた。
「……とても、さばききれません」
だが、体制はすでに整っていた。
水田の事務所にいた十二人――全員を引き抜いて ここで再雇用されている。
里美は、一息ついた隙に、窓の外を見た。
高層階から見下ろす姫路の街は、いつもと変わらない。
だが、その裏側で、これだけの書類が動いている。
——これが、——銀行の力。
そして――それを動かした、 立夫の力。今更ながらにそれを思い知った
立夫が里美の肩にそっと手を置いた
「いいか 里美 人数を増やせ もっと増えるぞ・・人件費や経費諸々を差し引いても 儲けは5000万はあるやろ・・
月に400万は軽い その半分はお前にやるから 頑張るんや・・ええな」
「立夫さん、ほんまにありがとう。 あたし あんたを誤解してたんや だましたひどい男やと けど 今はもう 感謝しかないわ」
と涙ぐむ 里美
この女は絶対に裏切らないだろうと 立夫は思った。
つづく