半ぐれ銀行マンの天下取り】 40 思い知らせてやる!都市計画課長への復讐へ 最終編
立夫は2日 じっくり考えた こいつは 表ざたになれば 大きな騒ぎになることが見えてきたからだ 課長に対する復讐のつもりが
どこまで波紋を呼ぶのか・・考えるほど 底知れないものを感じたからだ
それを逆手にとって利用する方法はないかと 思案したのだ
3日目の朝に本店法務の弁護士に連絡した
「……こちらから提訴は、するな 原告になれば デメリットもある 」
電話相手の年長の弁護士が、慎重に口を開く。
「支店長、それは――法的には、こちらが有利です」
「そんなことは分かっとる」
立夫は遮った。「せやからこそや」
机に指先を置き、一言一言、噛みしめるように続けた。
「市に、先に選ばせる」 「総務課へ行け」
「銀行として、落とし前をどう付けるつもりか それだけを、言ってこい」
「「選択肢の提示や それだけでことは足りる」
「承知しました」 年長者が、短く答えた。
その日の午後。弁護士は姫路についた
市役所・総務課。応接室に集められたのは、総務課長、内部監査、法務担当。
名刺を置く音が、やけに大きく響いた。
「銀行としての見解を、簡潔にお伝えします」
弁護士は、資料を広げない。言葉だけで、十分だった。
「本件は、不正な職務執行に起因する 開発許可である疑いが濃厚です」
「当行の融資残高は、三億円を超えます」
「このまま放置されるなら、当行は被害回復のため、法的措置を検討せざるを得ません」
総務課長の喉が鳴った。
弁護士は、続ける。
「しかし」「市が主体的に事実関係を整理し、適切な行政判断を下されるなら」
「当行としては、対立を望みません」
そして、最後の一言。
「――落とし前を、どう付けられますか」
それだけだった。
沈黙。
総務課長は、視線を落としたまま、小さく息を吐いた。
これは、交渉ではない。 期限付きの問いだ。
「……市として、内部監査手続きを進めます」 その声が、かすれていた。
翌日。
市長決裁の下、 開発許可取消の検討が正式に始まった。
理由は、手続きの瑕疵。職権乱用の疑い。公共の利益の毀損。
どれも、正論だった。
都市計画課長――年見の名は、デスクから消えた
一週間後 彼に懲戒免職の断が下された
つづく