【半ぐれ銀行マンの天下取り】  47  有頂天から奈落へ
30代前半  大阪府
2025/12/23 12:27
【半ぐれ銀行マンの天下取り】  47  有頂天から奈落へ
支店長室のドアが、音もなく開いた。

秘書が一礼して下がると、その女は、ひとりで部屋に入ってきた。

背が高い。少なくとも175センチはあるだろうか・・。
ヒールを履いていないのに、立夫とほとんど目線が変わらない。
毅然とした顔立ちをした女だった まっすぐ立夫を見た

濃い化粧はしていない。だが、隙がない。視線も、歩き方も、声を出す前の呼吸の取り方も。

この女、Mじゃない。立夫は、直感でそう思った。従属する女ではない。命令を待つ女でもない。命令する側の女だ。

女は、机の前で足を止め、 「海棠常務の指示で参りました」

直立不動で 名乗った。 「宗方聡子と申します」

低く、よく通る声だった。 媚も、遠慮も、ない。 が、レースクイーンを連想させる容姿だった

「常務から?昨日連絡をもらったが 君のことか?」

「そうです 」

と、聡子は軽く会釈しただけで、椅子に座る許可も求めない。

「本日付で、 私はあなたの業務全般を監視・監督する立場に就きました」

「……は?」

耳を疑った。

「支店長、今後、あなたは、私の指揮下に入っていただきます」

一瞬、空気が凍る。   「な、なんだって!?」

立夫は、言葉を失った。そんな馬鹿な話があるか。支店長が、女の部下になる?しかも、突然に。

聡子は、表情を変えない。 「驚かれるのは無理もありません。 ですが、決定事項です」

その言い方が、すべてを物語っていた。 交渉の余地は、ない。

立夫の脳裏に、海棠の声が蘇る。

(――金と女に、気を付けてやるんだ。)

その意味が、今になって、骨身に染みた。

「あなたは―― 」聡子が、静かに言葉を続ける。  「学会を愚弄しました」

ぴたり、と言い切る。

「法華経の教えを、自分の都合で解釈し、利用し、無視した」

立夫は、反論しかけた。だが、聡子はそれを許さない。

「野田明美、中野純子のふたりから すべてを聞きました」

名前が出た瞬間、 立夫の喉が鳴った。

「あなたのやり方、言葉、振る舞い、そして 傲慢ともいえる、慢心」

聡子は、机の上に書類を置いた。

「私は、二人の上司です そして今後は、二人を、私の支配下に戻します」

「同時に、あなたも、です」

「!!」
立夫は今起きていることが 嘘だと思った こんなバカな!

つづく
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コメント

60代後半  鹿児島県

2025/12/23 15:42

1. 急展開ですね!

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