【半ぐれ銀行マンの天下取り】  72   立夫との対決  前編 2
30代前半  大阪府
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【半ぐれ銀行マンの天下取り】  72   立夫との対決  前編 2
1週間が経った。
五月に入り、姫路城は春爛漫の装いを見せている。
白い天守を縁取る新緑と、名残の桜が風に揺れ、
城下町には、どこか浮き立つような空気が流れていた。

立夫は、すでに「銀行支店長」ではなかった。
今の肩書きは――SK開発企画・代表取締役社長。

事務所は、姫路駅近くのタワーマンションの上層階にあった。ここからは銀行は 駅を隔てて眼下にみえる
俺は あの建物の中で支店長をしていた が今のおれは社長だが メガバンクの支店長と比べたら 名も無いザコ会社の社長だ
(くそ!今に見てろ!)と 腹が立つが 今の状態でも人が羨む上流階級だと思い直した

里美の司法書士事務所の一画を間借りし、
ガラス張りの応接と、簡素だが上質な執務机を置いただけの空間。
だが、立夫にとって重要なのは中身ではない。

「豪華マンション内に事務所を構えている」
その事実こそが、彼のプライドであり、
世間体であり、最後のメンツだった。

転落したわけではない。形を変えただけだ――立夫自身は、そう思い込もうとしていた。

事務所には、常に女がいた。明美と純子。 彼の過去と現在を知り尽くした二人が、
愛人であり 秘書であり、あるいは護衛のように寄り添っている。

そこに、23歳の美咲が加わっている。まだセックスはしてないが 折を見てやらねばならいないと思っている
忠誠を誓わせるにはそれしかないからだ
ーーーーーーーーーー
そんなことを思いつつ 回転椅子に座ってタバコをくゆらせていたら
里美が 顔色変えて飛んできた

「社長、大変です!銀行からの仕事が切られました!」

「なんやと!」

「一昨日あたりから仕事が依頼が急減してきて おかしいなと思ってたら 今電話がありました 神戸の本部から あなたに依頼している登記などの
手続きは本日をもって全部終了しますって・・」

あの女だ!斎藤だ!手を回したんだ・・
銀行からは月にすると 70件 1500万の仕事だ・・12名の事務員がフル稼働しているぐらい多忙だつた 銀行の仕事がなくなったら 不動作会社や
その他の会社の依頼を合わせても400万程度にしかならない これでは一気に左舞いだ・・

立夫は 咥えタバコの吸い殻が落ちるのも忘れ呆然だ・・

つづく

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