戦国小説 【暗愚の小早川秀秋とその重臣・堀田重信】 1  三成の挙兵
30代前半  大阪府
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戦国小説 【暗愚の小早川秀秋とその重臣・堀田重信】 1  三成の挙兵
小早川秀秋――
15万石、15000の兵。だがそれは才の証ではない。血縁の配当であり、時代の誤配であった。
秀秋は若干20歳だ 若い。若いが、若さが希望に変わる瞬間を、誰も見たことがない。進退を問えば沈黙し、責を迫れば曖昧に笑う。
決断の代わりに空気を読み、覚悟の代わりに杯を取る。暗愚とは、決めぬことを習い性にした者の名である。
日夜 酒色に溺れ狂気の振る舞いは家来を失望させた しかしそんなクソでも担がないわけにはいかない 

その足元で、家中を支えたのが重臣・堀田重信だ。堀田家はこれまで無事安泰を続けてきた。前に出ず、後ろにも下がらず、勝者の名を最後に呼ぶ。
卑怯と忠義の境目で生き延びる技。それが家の知恵だった。だが時代は、その「ぎりぎり」を許さぬところへいよいよ来たのだ

石田三成が挙兵した。名目は正義、実体は踏み絵。
毛利輝元の名を総大将に掲げ、宇喜多秀家 小早川 そして三成が謀議に加わった
三成の手勢は3000
それに対し 宇喜多秀家 18000
小早川秀秋 15000
輝元は25000
当然、三成は下座に位置せねばならぬのに 上座に座り 指揮を執る
重信はこんなアホなことがあるかと 主君、秀秋ともに参加した軍議でそう思った

毛利輝元は 実利を計算しての参加である 「御小早川家は、どうする?」――頼みの体をした脅しだ、。沈黙は中立ではない。決めぬ者は、他人に決められる。

伏見城を睨む密議の席で、三成は刃のように問い、秀家は拳で頷き、毛利の名は黙って重しとなる。
その中央で秀秋は「従う所存」と逃げる。覚悟の言葉ではない。やり過ごしの言葉だ。
重信の背に冷えが走る。これは不安ではない。一家の一大事だ。

家へ戻り、妻に告げた。「苦渋の局面や」。殿は若すぎる。小早川家の存亡が懸かるのに、色にふける日々。
諫言は笑われ、忠言は重荷になる。
「わしは……先が見えん」妻と側女5人を前にボヤかずにいられなかった
「重信殿 僭越でございますが 家康につかれたほうが お家の安泰と存じます」
と妻が告げた 
「そうじゃ わしもそう思う あのアホではどうにもならん 今日ものお あのアホは迷いに迷って居ったわ」
それには側女たちもクスクスと笑った

暗愚の殿と、賢慮の家老。
天下の分水嶺で 殿は風を待ち、重信は足元を見る。
歴史は、待つ者に冷酷だ。決めた者だけが名を残し、決めぬ者は流される。小早川秀秋の暗愚は、やがて刃となり、
家を裂くかもしれぬ。
重信がボヤクのも無理ではなかったのだ――さあどうなるか 私の妄想を続けます
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コメント

60代前半  愛知県

1/24 8:29

1. おはようさん。
画像。
上がりすぎない口角の素敵な笑みです。
良き週末となりますように。
(^o^)

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