北國新聞『きょうの社説』2014年4月13日HPから
60代前半  石川県
2014/04/18 20:08
北國新聞『きょうの社説』2014年4月13日HPから
台湾の学生運動と今後の日台の関係について




◎台湾の学生運動 背景に中台統一の危機感


 台湾の学生らが中国との「サービス貿易協定」の承認を阻止するため、立法院(国会) の議場を占拠した異例の事態は、中国との関係で「現状維持」と「独立支持」が合わせて8割を占める台湾の民意を背景にしている。台湾の最大の貿易相手国は中国であり、輸出入額全体の20%以上が対中貿易で占められる。中国経済との一体化は台湾経済の生きる道であるが、議場占拠に至った学生運動は、中台統一をめざす中国のペースで経済的統一から政治的統一へ進むことへの危機感の表れともいえる。

 台湾の馬英九国民党政権が進める対中政策の基本は「統一せず・独立せず・武力行使せ ず」の「三つのノー」である。しかし、いわゆる外省人(中国大陸出身者)である馬総統の本心は中台統一であると見透かされているように思われる。先に行われた両岸関係の閣僚級会談は、政治的統一に向かう一歩と見なし得る。学生らの議場占拠はひとまず終わったが、馬政権は今後、議会や民意を無視して対中経済政策を強引に進めることはできないだろう。

 学生たちは、サービス貿易協定で、中国より進んでいる台湾の出版、美容など幅広いサ ービス事業が中国資本にのみ込まれてしまうと訴えた。そうした危惧とは反対に、市場開放で自由・民主主義という台湾の価値観が中国に影響を及ぼすといった期待感も語られているが、今の中国にそうした期待を寄せることはできない。

 中国の習近平指導部はこのところ、日本による台湾統治という歴史の面からも中台の連 携を強化する姿勢を鮮明にしている。中台が歴史で対日共闘を強め、政治的な統一に向かうことは、日本として最も避けたい事態である。親日の台湾が文化面も含めて中国にのみ込まれることなく、グローバル経済の自主・自立のプレーヤーとして存在感を発揮していくのが望ましい。そうした方向に向かわせるため、例えば、日台の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)の締結を日本側からより積極的に働きかける戦略を考えてもよいのではないか。




以上
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