『北國新聞』社説から
◎ 朴氏・都知事会談 残念な 「歴史」 の硬直姿勢
韓国の朴槿恵大統領が舛添要一東京都知事と会談した。
韓国の大統領が外国の自治体首長と会談するのは異例のことで、 冷却化した日韓関係の改善に向けて、 柔軟な姿勢に転じる兆しではないかとの期待感も抱かせたが、 会談の冒頭に 「正しい歴史認識の共有」 を求め、 歴史問題での強硬姿勢に変化がないことをあらためて示した。
韓国内では日韓関係の冷え込みが長期化し、 対韓感情の悪化で日本人観光客が激減していることなどから、 首脳外交をかたくなに拒む、 朴氏の硬直した対日外交を問題視する声も出ている。
このため朴氏は、 関係悪化の原因は 「日本の一部政治家の言動」 にあるとし、 政府間以外では柔軟に改善を図る姿勢を、 舛添氏との会談でアピールする狙いがあったのかもしれない。
が、 歴史問題の解決を優先する姿勢を崩す気配はなく、 関係改善の糸口をつかむことはなお難しい。
歴史問題で日本側から譲歩を引き出さないとメンツを保てず、 国民の支持を失うという思いも強いのであろう。
舛添氏は、 4月の旅客船沈没事故に哀悼の意を表明し、 「日韓関係を改善したい」 との 安倍晋三首相のメッセージを朴氏に伝えた。
これに対して、 朴氏は 「歴史認識をしっかりすることが親善の第一歩」 と述べたという。
しかし、 歴史というものは、それぞれの国によって認識や解釈に違いがあり、 単純な善悪二元論で片付けることができないことを、 互いに認めなければなるまい。
そのことこそが親善の第一歩ではないか。
韓国側の 「正しい歴史認識」 要求は、 自国の一方的な歴史観の押し付けと言わざるを得ない面がある。
朴氏は 「従軍慰安婦は普遍的な人権問題で、 真摯(しんし)な態度での努力で解決できる」 と述べたが、 この問題については、 例えば 「旧日本軍が性奴隷として強制連行した」 といった不当な主張を国際社会に政治宣伝していることは日本として容認しがたい。
歴史認識や解釈の違いによる対立を政治問題化させずにコントロールする。
それが外交の要諦であることを互いに認識したい。