映画レビュー2017 #5 『ライフ』 "Life" 僅かにネタバレ
50代前半  愛知県
2017/07/24 22:42
映画レビュー2017 #5 『ライフ』 "Life" 僅かにネタバレ
"Life"

2017 アメリカ: SFホラー

Directed by Daniel Espinosa
Produced by David Ellison, Dana Goldberg, Bonnie Curtis, Julie Lynn
Written by Rhett Reese, Paul Wernick

Starring:
Jake Gyllenhaal
Rebecca Ferguson
Ryan Reynolds
Hiroyuki Sanada
Ariyon Bakare
Olga Dihovichnaya

Music by Jon Ekstrand
Cinematography by Seamus McGarvey
Edited by Frances Parker, Mary Jo Markey
Production company: Skydance Media
Distributed by Columbia Pictures
Release date
March 18, 2017 (SXSW)
March 24, 2017 (United States)
Running time
104 minutes[1]
Country United States
Language English
Budget $58 million[2]
Box office $100.1 million[3]

「チャイルド44」のダニエル・エスピノーザ監督によるエイリアン系SFホラーである。まさに、エイリアン系の話で、特に新しい事はあまりない筋書きのサスペンス映画で、正直出だしからその凡庸さに退屈を覚えてしまって、多分家でDVDで観ていたらそこで、先送りしたのは間違いない(笑)。

最初から火星から戻ってきた土壌サンプル回収宇宙船をドッグを試みる事から始まるのだが、別に観客としてはいきなりそんなシーンがあっても全く盛り上がらないという呆気にとられるお粗末な出だし。音楽だけ先走りに盛り上がっている模様で、馬鹿さ加減に、思いっきり笑ってしまった。

ま、パッとしない監督による、パッとしないキャスティングだけに、楽に予想できた仕上がりだ。では何故観に行ったかというと、他に観るものがなかった(笑)という不況ぶりと、自称ホラー専門なので、駄作でも一応観ておくべきかな、と思ったからだ。また、エスピノーザ監督の「チャイルド44」を観たときに、題材はとても面白く、よく今時こんな映画を撮ったな、と少しだけ興味を覚えたからだ。

詰まらないのも覚悟で見に行ったが、まず、詰まらない俳優から殺られていくので、比較的救われた形だ。明らかに優秀な、ギレンホールがキャスティングから浮いているが、監督も一応知っているようで、ギレンホールはクラマックスまで残るのでご心配なく。と、ここで、ちょいネタバレしましたが、特に気を使う必要あるような映画ではないので心配ありません。

内容自体は、まさにエイリアンと基本変わりがないので、この映画自体が、映画会社によるリサイクル的な企画ですが、久しぶりにSFホラーなので、映画配給側としては、妥当な企画と言えるでしょう。

登場人物は基本5人で、ギレンホール演じるISS医療監督、美女レベッカ・ファーガソン演じるCDC隔離専門官、他に、ライアン・レイノルズがISSのフライト・エンジニア、真田博之がISSシステム・エンジニア,黒人イギリス俳優のアリヨン・バカーレが宇宙生物学者、オルガ・ディホヴィチナヤがISSのミッション・コマンダー役をしていて、この5人が、サンプルされた、得たいの知れない宇宙生物と戦うことになる。

1番のこの映画の問題は、キャスティングと演出や脚本で、まあ、全てでありますが(笑)、まずもって、悪い脚本でも演技力が観客を引き付けられるのは、ギレンホールくらいしかいない。一人だけ浮いている状態で、あとは、とりあえずこなしているのみという状態。もっといえば現実身を帯びた演技をしている俳優は全くいないといってよく、ギレンホールは医者には見えないし、ライアン・レイノルズのお馬鹿加減と無謀さある振る舞いは、空軍軍人には見えても、とてもISS所属のフライト・エンジニアには見えない。後も同じくで、その肩書きに応じた場面も全くないといってよく、かろうじて、アリヨンが素人っぽい生物学的見解を少しだけ吐くだけである。真田博之が1番それっぽい行動をとっているマトモな方かな、と後で思い出せば、思うだけだ。

全てのメンバーはあたふたするだけで全く事態に対処ができておらず、気がつくのが遅すぎて、登場人物は頭がそれなりにいいはずの肩書きなのに、馬鹿ばかりで、特に飛び抜けて賢いとも思われない宇宙外生物が、1番賢いのが当たり前という有り様である。

これでは、当たり前すぎて、乗組員のお粗末な演技振りが露呈するだけだ。まあ、映画だから多少は多目に見たとして、観ていくと、宇宙外生物が実力を発揮していく中盤から、一応サスペンス的要素がやっとこさ、見られるようになり、とりあえず閉鎖空間でのエイリアン対人間の追っかけサスペンスがある程度我慢すれば、多少は楽しめるようになる。

しかしながら、出てくるサスペンス要素がみんな、あーこれよくある、あーこれ、あの映画でもう見たもう見た、あー、これはこーなるなあ、とかラストを含めて全て予見楽々できる訳で(笑)、結局何を観に行ったのやら(笑)、という始末だ。

1つだけ褒めるとすれば、地球外生物の造形で、これが火星の生物であるという無謀な非科学的な仮定は無視するとして、このデザインは私はそんなに悪くない、いや、ある意味とても生物学的なところがあると思った事だ。そのCGも出来映えはかなり良く、そのリアル感はマズマズ楽しめるかもしれない。

全体的には予想通り絵に書いた仕上がりで、かなり出来の悪い脚本、出来の悪いキャスティング、イマイチな演出、かなり悪い撮影、そして凡庸なイマイチ志の低い試み、による、映画会社主導の宣伝でなんとか儲ける商業ホラー映画、と言えると思う。

しかしながら、この時期、出来の悪い映画があまりに多いので、まあ、気晴らし的にDVDで観ておくくらいは全く構わないと思われる。レベッカ・ファーガソンが意外に綺麗でもっといい映画に出れば、今後活躍できるかも、と、私の場合は、そのくらいしか観るものがなかったのが残念だ(笑)。

ま、やっぱり、エイリアン物は、今秋公開の本家のリドリー・スコットを待つしかない。



★★★

(最高点=★★★★★)
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