宇宙の法則
50代前半  京都府
2017/08/09 5:24
宇宙の法則
 「おまえが何かを
 本当に望む時には
 宇宙全体が協力して
 それを実現するために
 助けてくれるのだよ」

  パウロ・コエーリョ著
    「アルケミスト」より


 今日の夕方、長男が放課後学級の社用車のキーを、歩いている道中で落としてしまったそうです。

 僕が仕事から帰宅した時、すでに長男は汗だくで自分が歩いてきた道をキーを探しながら一往復してきたところ。
手ぶらで帰ってきた長男に家内がイーイー怒鳴っていました。
怒鳴ったところでキーが見つかるワケないのに。

「よし、もっかい行こ」

 僕は長男を連れ、二人で家から放課後学級までの道を、下を見ながら蛇行してゆっくり歩き出しました。
辺りは暗くなり始めています。

 道のりはまだ半分くらいの所で。
「やべー。暗い…。 しかし、他人の車のキーを失くすなんて、トホホ…」
内心弱音を吐きそうでしたが、長男が先に
「お父さん、この道、もう探したけど無いよ…」
などと弱音を吐くので
「多分無いかも、と思いながら探すから見つからへんねん! 多分有るはず、と思って探すねん!」
と、半分長男に半分は自分に言いながら二人で下をキョロキョロ、蛇行しながら歩いていると…

「何か探してはるん…?」
道沿いの家から買い物にでしょうか、出掛けようと出てこられたおばちゃんが、下を見ながらウロウロノロノロ歩いている僕たちを見て、心配したのか不審に思ったのか(笑)、声をかけてこられました。

「息子が車のカギを落としちゃいまして…」
訝しがられないよう、会釈して愛想よく答えた僕に返ってきた言葉は

「コレとちゃいます?」

 おばちゃんの家の反対側。
駐車場の網目のフェンスの目の高さ辺り、おばちゃんが指差すところに、車のキーがぷらんとぶら下がっているではないですか!

 キターー(゚∀゚)ーー!

 長男が駆け寄り、キーを手に取りエヘヘとにっこり笑います。 
おばちゃんもホッとした顔で
「近所の人らが落ちてるカギを心配そうに見て歩いていかはるんやけど、誰も拾わらへんくて。
誰のやろなぁ?って話しててん。
そやし、見えやすいとこにぶら下げとこ、思て」

「ありがとうございます!
下ばかり見ていて気付かなかったです!
おかげで助かりました、本当にありがとうございます!
ご近所の方にもよろしくお伝えください!」
長男も恥ずかしげにぼそっと
「ありがとう…」

 良かったわぁ~と、おばちゃんが去っていった後、二人で脱力しながらゆっくり帰路へ。
長男が照れ隠しに
「ずっと下見て歩いてたから、上にカギがあんのん、分からんかってん…」

「そやな。
父さんも分からんかったわwww
でもな、こうして一生懸命頑張ってたらな、自分の力じゃダメでも、周りの人が助けてくれはんねん。
この世界はそんな風にできてんねん。
長男ちゃん一人でこの道探した時は、あのおばちゃんに会えへんかったやろ?
でも、諦めんともっかい来たらおばちゃんに会えた。
一回じゃダメでも、諦めんと、一生懸命何回も頑張る事が大事やねん」

 長男には偉そうに諭しましたが、僕も久々に愛読書に書かれた大切な「宇宙の法則」の一つを目の当たりにして、大いに感動し興奮していました。
やっぱり一生懸命頑張ったら、周りは見てくれてるんやな…。

 ただ、夏休みが終わる頃には、恐らく長男は今日の出来事を忘れて、また同じような失敗を繰り返すんですよね(>_<)
そうそうこんな事は起こらないんですけど。
早く気がついてほしいです…。

 でも、キーが見つかってホッと安心しました。
明日、返しに行かせます。
今度は落とさないように…(笑)
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