近所のスーパー銭湯にたまに行く。
子供から大人まで 裸で過ごす憩いの場所だ。
それ故に、それぞれの色々な事が見えたり 聴こえたりする時がある。
先日、日頃の疲れを癒そうとスーパー銭湯に行った時の話だ。
体を洗おうと シャワー台の前に座り、体を洗っていると、隣に35歳前後の狩野英孝に似た男性と、小学校の低学年くらいの、小さな男の子が並んで座った。
男の子は、とても楽しそうに狩野英孝 似の父親に話しかけている。
「でね~、ぼくね、ピーマンが本当は 嫌いなんだけど、ガンバって食べたんだよ~^_^」
「おー それは偉いね!
好き嫌いはしちゃ ダメだぞ!」
「うん!ぼくねっ あんまり 嫌いなものはないんだよ! ピーマンと~ ニンジンと~ キノコと~ キュウリと~ ナスと~、、、」
-オイオイ、結構あるな少年!-
「あとね~、しょうた君が嫌い~」
-オイオイ、いきなり何の告白だよ!-
「しょうた君て、幼稚園が一緒だった子?」
-オイオイ、パパさん そこ ツッコミまずに受け入れるのかい!-
「うん、そう、同じクラスで、同じ班なんだ!」
「何で、しょうた君の事が嫌いなの?」
「だってねぇ~、しょうた君て すぐに女の子の事、からかうんだよ~。
勉強中でも、休み時間でも、女の子をふざけて たたいたり けったりするんだ」
「そりゃ~ その女の子の事が好きなんじゃないのか?」
「ううん、違うよ! だって女の子みんなにするんだよ!
かわいい子でも、ブサイクな子でも!」
-ブサイクは 余計だよ! 少年-
「じゃ、女の子 全員好きなんじゃないか?」
-そんな訳ないだろ!火野正平じゃあるまいし!-
「そーかもしれないっ!」
((((;゚Д゚)))))))-えっっ!!そうなのっ
️〓-
「だって、しょうた君ていっつも、エロトークしてるもん。女の子の事が好きでしょうがないんだよ!」
-“エロ・トーク”って、 アメトークのアダルト版みたいになってるよ!
低学年でそんな言葉使ったら、パパに怒られるぞ!-
「そっかー、でも そういう子もいるから、しょうがないな~」
((((;゚Д゚)))))))
-ツッコマナイ、、、
しかも
しょうた君を肯定した、、-
「しょうがなくないよ~、しょうた君ていつもうるさいし~、本当に嫌いなんだから~」
-そうだよね 少年! パパが も少し君の気持ちを分かってくれるといいね!-
ツッコミどころ満載の親子の会話を聴いているうちに、体も洗い終わり、露天風呂に移動した。
露天風呂に浸かり、雲の切れ間から見える まあるい月を暫く見ていると、先程の仲の良い親子が 露天風呂にやって来て、俺の横に腰を下ろした。
少年は、相変わらず楽しげに 狩野英孝 似の父親に話しかけている。
「ねぇ~パパ~、いつになったら、パパと一緒のお家に住めるの~?」
父親は、少し真顔で考えて
「う~ん、、、ママが一緒に住もうって、言ったら、住めるかな~、、、」
(;゙゚'ω゚') -えっ!! 離婚したの?
それとも別居中?
それを早く言えよ、狩野!-
「じゃあ~、どうやったら 一緒に住もうって 言ってくれるかなぁ~」
「う~ん、、、パパがもっと、ちゃんとしたら、一緒に住もうって 言ってくれるかなぁ~、、、」
「ちゃんとって、何をちゃんとするの~?」
「う~ん、、、仕事 か な~、、、、、っ」
-無職か~い
️〓-
「お仕事すれば、ママが一緒に住もうって、言ってくれるの?」
「う~ん、、、それだけじゃないんだよ~」
「じゃあ~、あとは なに~?」
「う~ん、、、 、、、 、、、 、、、」
-女か~い
️〓-
–ギャンブルか~い
️〓–
–どっちだ~いっ〓〓 〓–
答えに詰まった狩野英孝 似 のパパは、話を逸らすように、急にサッカーの話に話題を切り替えた。
「そういえば、サッカー随分上手になったんだって?」
「うん! 昨日も試合でゴール決めたんだよ!」
「へ~~ 凄いじゃん!!
さすが俺の子だなぁ~(笑)」
「ぼくねっ 将来は、宇佐美みたいな選手になりたいんだ!
「お~ 宇佐美かっ!いいね~! 奥さん可愛いし!」
-奥さん 関係ないよっ!-
「パパ、宇佐美を知ってるの?」
「あ~ 知ってるよ!、あの シュッとした奴だろ!」
-サッカー選手は、だいたいみんな シュッとしてるるよ!-
「ぼくね~、プロになって、宇佐美みたいなゴールを決めたいんだ!」
「お~、プロになるか~、いいね~、
お金 たくさん稼いで、俺に家の一つでも買ってくれよ~(笑)」
( *`ω´)))))-、、、狩野、、、そういうところだぞ、、、今 少年は自分の夢を語っているんだよ!それを お前は何だ狩野!
無職の分際で、子供に『家を買ってくれ』なんて 恥を知れ!
だから、奥さんにも認めて貰えないんだよ!
少年が夢を語っているんだから、『頑張れよ!」とか 『応援してるぞ!」とか言えないかね
、、、、-
「いいよ パパ!
大きなおうちを買ってあげるよっ!^_^ 」
ハウアッッ!!!((((;゚Д゚)))))))
-いいの か~い
️〓
買うの か~い
️〓-
「お~嬉しい事言ってくれるね~
じゃ 約束だぞぅ~」
「うんうん 約束するよ !パパッ ^_^」
– 、、、なんて素直でいい子なんだ、、、–
– 少年、、、素直な事はとてもいい事だよ。
これからは、人を見る眼を養わないとね –
– 狩野、、、 狩野、、、 –
素直でいい子の父親には、かける言葉も見つからず 露天風呂を静かに出た。
暫くの間 数種類の風呂やサウナを楽しんだ後家に帰る事に。
梅雨時期には珍しく、綺麗な まあるい月を眺めることが出来た夜の話し。
銭湯の出口に向かう途中、二十畳程ある休憩スペースに、30歳前後の女性と幼稚園に通うくらいの女の子が並んで座っていた。
女性は携帯電話をいじりながら、
「あいつっ マジムカつく
電話ぜんぜん出ねっ
風呂出て また、パチンコでも行ってんじゃね~
」
「しょうがないよ、ママ~
パパだって、お兄ちゃんと話したい事が、
いっぱいあるんだよ~」
– ギャンブル か~い
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