その約束は、守るな!!
40代後半  千葉県
2017/07/16 10:22
その約束は、守るな!!
近所のスーパー銭湯にたまに行く。

子供から大人まで 裸で過ごす憩いの場所だ。

それ故に、それぞれの色々な事が見えたり 聴こえたりする時がある。

先日、日頃の疲れを癒そうとスーパー銭湯に行った時の話だ。

体を洗おうと シャワー台の前に座り、体を洗っていると、隣に35歳前後の狩野英孝に似た男性と、小学校の低学年くらいの、小さな男の子が並んで座った。

男の子は、とても楽しそうに狩野英孝 似の父親に話しかけている。

「でね~、ぼくね、ピーマンが本当は 嫌いなんだけど、ガンバって食べたんだよ~^_^」

「おー それは偉いね!
好き嫌いはしちゃ ダメだぞ!」

「うん!ぼくねっ あんまり 嫌いなものはないんだよ! ピーマンと~ ニンジンと~ キノコと~ キュウリと~ ナスと~、、、」


-オイオイ、結構あるな少年!-


「あとね~、しょうた君が嫌い~」


-オイオイ、いきなり何の告白だよ!-


「しょうた君て、幼稚園が一緒だった子?」


-オイオイ、パパさん そこ ツッコミまずに受け入れるのかい!-


「うん、そう、同じクラスで、同じ班なんだ!」

「何で、しょうた君の事が嫌いなの?」

「だってねぇ~、しょうた君て すぐに女の子の事、からかうんだよ~。
勉強中でも、休み時間でも、女の子をふざけて たたいたり けったりするんだ」

「そりゃ~ その女の子の事が好きなんじゃないのか?」

「ううん、違うよ! だって女の子みんなにするんだよ!
かわいい子でも、ブサイクな子でも!」


-ブサイクは 余計だよ! 少年-


「じゃ、女の子 全員好きなんじゃないか?」


-そんな訳ないだろ!火野正平じゃあるまいし!-


「そーかもしれないっ!」


((((;゚Д゚)))))))-えっっ!!そうなのっ[exclamation]️〓-


「だって、しょうた君ていっつも、エロトークしてるもん。女の子の事が好きでしょうがないんだよ!」


-“エロ・トーク”って、 アメトークのアダルト版みたいになってるよ!
低学年でそんな言葉使ったら、パパに怒られるぞ!-


「そっかー、でも そういう子もいるから、しょうがないな~」


((((;゚Д゚)))))))[あせあせ(飛び散る汗)]-ツッコマナイ、、、
しかも
しょうた君を肯定した、、-


「しょうがなくないよ~、しょうた君ていつもうるさいし~、本当に嫌いなんだから~」

-そうだよね 少年! パパが も少し君の気持ちを分かってくれるといいね!-

ツッコミどころ満載の親子の会話を聴いているうちに、体も洗い終わり、露天風呂に移動した。

露天風呂に浸かり、雲の切れ間から見える まあるい月を暫く見ていると、先程の仲の良い親子が 露天風呂にやって来て、俺の横に腰を下ろした。

少年は、相変わらず楽しげに 狩野英孝 似の父親に話しかけている。

「ねぇ~パパ~、いつになったら、パパと一緒のお家に住めるの~?」

父親は、少し真顔で考えて

「う~ん、、、ママが一緒に住もうって、言ったら、住めるかな~、、、」


[あせあせ(飛び散る汗)](;゙゚'ω゚') -えっ!! 離婚したの?
それとも別居中?
それを早く言えよ、狩野!-


「じゃあ~、どうやったら 一緒に住もうって 言ってくれるかなぁ~」

「う~ん、、、パパがもっと、ちゃんとしたら、一緒に住もうって 言ってくれるかなぁ~、、、」

「ちゃんとって、何をちゃんとするの~?」

「う~ん、、、仕事 か な~、、、、、っ」








-無職か~い[exclamation]️〓-




「お仕事すれば、ママが一緒に住もうって、言ってくれるの?」

「う~ん、、、それだけじゃないんだよ~」

「じゃあ~、あとは なに~?」

「う~ん、、、 、、、 、、、 、、、」






-女か~い[exclamation]️〓-
–ギャンブルか~い[exclamation]️〓–
–どっちだ~いっ〓〓 〓–



答えに詰まった狩野英孝 似 のパパは、話を逸らすように、急にサッカーの話に話題を切り替えた。

「そういえば、サッカー随分上手になったんだって?」

「うん! 昨日も試合でゴール決めたんだよ!」

「へ~~ 凄いじゃん!!
さすが俺の子だなぁ~(笑)」

「ぼくねっ 将来は、宇佐美みたいな選手になりたいんだ!

「お~ 宇佐美かっ!いいね~! 奥さん可愛いし!」


-奥さん 関係ないよっ!-


「パパ、宇佐美を知ってるの?」

「あ~ 知ってるよ!、あの シュッとした奴だろ!」


-サッカー選手は、だいたいみんな シュッとしてるるよ!-


「ぼくね~、プロになって、宇佐美みたいなゴールを決めたいんだ!」

「お~、プロになるか~、いいね~、
お金 たくさん稼いで、俺に家の一つでも買ってくれよ~(笑)」






( *`ω´)))))-、、、狩野、、、そういうところだぞ、、、今 少年は自分の夢を語っているんだよ!それを お前は何だ狩野!
無職の分際で、子供に『家を買ってくれ』なんて 恥を知れ!
だから、奥さんにも認めて貰えないんだよ!
少年が夢を語っているんだから、『頑張れよ!」とか 『応援してるぞ!」とか言えないかね[むかっ(怒り)]、、、、-





「いいよ パパ!
大きなおうちを買ってあげるよっ!^_^ 」




ハウアッッ!!!((((;゚Д゚)))))))[あせあせ(飛び散る汗)]
-いいの か~い[exclamation]️〓
買うの か~い[exclamation]️〓-




「お~嬉しい事言ってくれるね~
じゃ 約束だぞぅ~」

「うんうん 約束するよ !パパッ ^_^」



– 、、、なんて素直でいい子なんだ、、、–



– 少年、、、素直な事はとてもいい事だよ。
これからは、人を見る眼を養わないとね –

– 狩野、、、 狩野、、、 –



素直でいい子の父親には、かける言葉も見つからず 露天風呂を静かに出た。



暫くの間 数種類の風呂やサウナを楽しんだ後家に帰る事に。


梅雨時期には珍しく、綺麗な まあるい月を眺めることが出来た夜の話し。
















銭湯の出口に向かう途中、二十畳程ある休憩スペースに、30歳前後の女性と幼稚園に通うくらいの女の子が並んで座っていた。
女性は携帯電話をいじりながら、

「あいつっ マジムカつく[むかっ(怒り)]
電話ぜんぜん出ねっ[むかっ(怒り)]
風呂出て また、パチンコでも行ってんじゃね~[むかっ(怒り)]

「しょうがないよ、ママ~
パパだって、お兄ちゃんと話したい事が、
いっぱいあるんだよ~」












– ギャンブル か~い[exclamation][exclamation][exclamation]️–
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