※その1 の続きです。
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
「10分もあれば、充分電車に乗れるな!
しかし、なんだよ あのヤクザ!!
本物のヤクザは、一般市民には声を荒げた
りする事は無いって聞いたけど、
無茶苦茶 恫喝してくれるじゃねぇか!!
おかげ様で泣きそうになったゾッ!!
しかも “ヒャイ~” なんて恥ずかしい
返事を2回もしちゃったじゃねーか!!
男として情け無いよ!
それに あのクソマスターの奴、
出て行ったきり 帰って来ないし
今度 会ったら あいつのヒゲを全部剃って
やるぜ! 全員ファックだぜ!!
」
走りながら1人ゴチていると、遠くの方から
俺を呼ぶ声が聞こえた気がした
「ーーーぃーーーずきーーー」
んっ? 誰か俺の事 呼んでる?
「、、いっ! か、、~~っ!!
「、こに、行く、、だっ!!
店、、ど、、たっ!!」
声の方を向くと、交差点の向こう側 ウインズ
の方から、ビニール袋を片手にぶら下げた
マスターが俺に叫びかけている。
あっっっっっ!
ヒゲ マスター
((((;゚Д゚)))))))
「お~~~いっ! かずき~~~!
どこに行くんだ~~~っ?
店はどうしたっ~~~?」
うわっっ どうしよう~
このまま、走って逃げるか?
それとも、ヒゲを剃り落としてやろうか!
信号は暫く赤のままのはず、、、、
ヒゲを剃り落とすのはやめにして、
一応、注告しておこう!
「マスターーーッッ!
ピザとスーパードライとたこ焼きを買って
店に帰って下さーーーいっ!!」
( ´ ▽ ` )ノ
「?、、、どういう事だ~~~っ?、
何なんだ~~~っ?」
駅前の交差点を挟んで大声で会話をする
男ニ人に、周りにいた人達は、訝し気な眼差しを向けるが、気にする余裕も無く、会話を続ける。
「今日のマスターのーラッキーアイテム
でーーーすっ、ピザとスーパードライと
たこ焼きを店に持って帰れば、
大丈夫ですからーーーっっ!」
「お世話になりましたっっ!」
信号もそろそろ青になりそうだったので、
不思議そうな顔をしているマスターに
別れの挨拶をして、再び駅に向かって走り出す。
ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
good luck ダンディなヒゲのマスター
あなたがウインズに行かずに、もっと早く店に帰っていれば、これから起こる地獄のような思いを、体験する事も無かっただろうに、、、ƪ(˘⌣˘)ʃ
あっ! マヨネーズ言うの忘れた!
、、、
まぁ~店にも マヨネーズ置いてあるから
大丈夫か(笑)
ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘
“千葉行きの電車 発車しま~~~す”
店を出てから10分ほどの時間が過ぎた。
改札もスムーズに通れて、電車の待ち時間も
殆ど無く、電車に乗る事が出来た。
ドアが閉まり、ゆっくり走り出す電車の窓からは、夏の熱気に包まれて、ゴミゴミした埃っぽい錦糸町が蜃気楼のように見えて映る。
マスター今頃どうしてるかな~
ちゃんと、ラッキーアイテム買って帰って
いればいいのだけど、、、(笑)
バイト探さなきゃな~、、、
今度も喫茶店とかにしよう、、、
あの店 結構 面白かったからなぁ~、、、
いや!店じゃなく、錦糸町っていう街が
面白かったんだよなぁ~、、、
面白い街か~、、、
じゃ~、次は歌舞伎町辺りかな~、、、
暫く 錦糸町には近づくのやめよう、、、
「さよなら、、、錦糸町、、、」
ー10年後ー
「お前 何時になったら駅に着くんだよ~
俺はあんまり、錦糸町好きじゃ無いんだよ!
早く来てくれよ!!
なんで、錦糸町の待ち合わせなんだよっ!
駅に着いたら、またすぐに電話くれよな
あ~、改札の前にいるよ!」
久々に会う友達だから、待つけどさ~~
マジ 早く来てくんねーかな~
ほんとっ、錦糸町は来たく無かったわ~~
「カズッッ!!」
いきなり、大きな声で名前を呼ばれ、後ろから両手で肩をガッチリ掴まれた!
心底驚いた俺は
「ヒャイ~~
」
ビックリして振り返ると、
数年ぶりに会う、友達の笑顔がそこにあった。
「お前! いい加減にしろよ!
人を待たせておいて、驚ろかすなんて 子供じみた事しやがって!
ピザとビールとたこ焼きを、宅配サービスでお前の家に送り付けんぞ!
」
「? 何 そんな怒ってんの?、、、
何 ?ピザとかビールとか、、、
久し振りの再会で、、、」
「あっ ワリ~
つい ムキになった(-_-;)、、、ごめん、、、
とりあえず、呑みに行くかっ!!(⌒▽⌒)」
10年ぶりの “ヒャイ~~
”
人生で3度目の “ヒャイ~~
”
「ただいま、錦糸町、、、」