卒業アルバム。
娘が幼い頃は公園で
人見知りの一人っ子が輪の中に入れるよう
率先して子供達に混ざって遊んでいた
そのせいか
すっかり他所の子供達とも顔馴染みになり
授業参観の日に俺の姿を見つけると
休み時間に後ろからいきなり蹴りを入れられたり
おんぶの形で首を締められたり…笑
そんな子供達も中学生になると
顔付きも大人っぽくなり
近所で会って
「おっ!サッカー頑張ってる?」
「テニス部、入賞したんだって?」と
話し掛けても
少しはにかんだ顔でペコッとお辞儀する程度
昨日、娘のもとに
卒業した中学から卒業アルバムが送られてきた
昨日は思春期になり気難しくなった娘の手前
ちらっとしか見なかったが
今朝、コーヒーを飲みながら
じっくり一人ずつ眺めると
面影の残った懐かしい顔と名前が並んでいる
「ねえ、次なにして遊ぶ?」
「次はサッカーしよ♪」
こちらが直視出来ないほどキラキラした澄んだ瞳
汚れた服や靴
汗臭くなった頭の匂いがふと蘇ってくる
この春、高校生になった彼・彼女達
それぞれの夢を追いかけるため
何人かがこの地を離れて
見知らぬ土地で寮生活を始めている
甲子園やインターハイが中止となった今
おそらく、同じ寮生の先輩から
夢への想いを託されているだろう
そんな彼等の笑顔が卒業アルバムには溢れていた
時を重ねても色褪せない思い出は
卒業アルバムに刻まれている
あの頃、大好きだった人の笑顔に会いたくなったら
あの頃、夢を語り合った仲間に会いたくなったら
今度実家に帰った時に
何十年も開いていない
卒業アルバムを見てみようかな
初めて手を繋いだあの日
初めて口づけをかわしたあの場所
淡い出来事とともに
大人になって
忘れかけていた何かを思い出せるかな?
今よりもっとキラキラした瞳をしていた
あの頃に思いを馳せて。
~最後までお読み下さり有難うございました~