うちの両親

世間で言うところのカカア天下で

無口な親父にたいして口が達者なおふくろ


なにか揉めても

いつも最後はおふくろに言い負かされてたけど

なぜかこの季節に夫婦喧嘩した翌日は

夕飯時には親父だけ1品多くて

それが一人暮らし用のような小さな鍋に入った

ほんとにお豆腐1丁だけの湯豆腐


まず親父がこの湯豆腐で熱燗を2合やり

それが終わるとようやく夕飯が始まるパターン


一度空腹に耐えかね文句をつけたら

「これはお父さんにとって亡くなったお母さんの味」

「また明日から頑張って働いて貰わんとな」


ん？

聞けば兄弟も多く貧しかった昔は

親父にしてみたらお豆腐1丁食べるなんて

夢のような話しで

一度だけ病気で寝込んで

食事も喉に通らなかった時

祖母が他の兄弟に内緒で作ってくれたらしい


白菜や他の野菜も入っていない素朴な湯豆腐


確かにバナナや玉子は高級品だったなんて

話しは聞いた事あったけど

豆腐までもそうだったんだ…




今朝の朝食は僕のおふくろの味

キャベツと玉子のゴマ油炒め


別にたいして難しい料理でもないし

寝込んだ時に作って貰った訳でもない


ただ、なんとなく食べたくなるんだよね


物がない時代に生まれた訳じゃないから

思い出なんてひとつもないけど

不思議な魅力

それがおふくろの味なのかな…



今日11月22日は“良い夫婦の日”

うちの奥さんにも作って食べてもらおう


僕のおふくろの味



おーい！朝ごはん出来たよ♪