行きの電車

後ろの席のおじさんが何度も電話をとる。
営業の人みたい。
声をおさえながら話そうとするけど、電話が鳴れば取らずにいられないみたい。マナーモードだから音はしませんが。
こんな朝からかかってくるなんてしんどい。
私なら無視するけど、大事な営業先なら出ないことでチャンスなくなることもあるんだろうな。大変だな。

なんて
他人事に考えながら仕事へ向かいます。

仕事終わりました。
金曜夜～。新居での初週末～。
ウキウキしながら家まで乗り換えなし1本。
空いてた車内もだんだん混み始める。
優先席以外、前の男性の隣1席以外埋まるほど。
するとある駅で２０歳くらいの女性が乗ってきて男性の隣に座った。
瞬間に大きな声で独り言を言い始めた。
しんと静まり返った車内でびっくりして皆彼女を見る。
…あぁ、なんだ、電話してるのか。
イヤホンでスピーカーにしてるから声が大きいのね。
なんて非常識。
ココイチのカレーを奢れとか誰かの彼氏がなんとかとか…と思えばいきなりおしっこしてぇとか言ってる。
なんて下品な。
おしっこがかわいく聞こえるのは幼稚園までだぞ。

隣の男性は明らかに嫌そうな顔で、チラチラと女性を見る。
たまらなくなった私は注意をした。


「電車内では携帯で通話はダメよ。周りの人に迷惑でしょ」

と言おうとしたのに

「うるさいから電話切りなさい」
という言葉が口から出てしまった。

女性は話すのをやめた。
と思ったらしばらくしてまた少し話し始める。
電話…切ってねぇ。

もうお手上げです。

悲しい気持ちで電車を降り、家までのんびり歩きながら…
ご飯食べて帰ろうかな。
でも仕事帰りのくたびれた格好でおしゃれな店に入るの嫌だな。疲れたしな。
スーパーに寄りました。

帰宅して、私にしては無駄に広いキッチンで、ひたすらトマト煮を煮込んでます。
あぁ、料理をするのもいいもんだな。

明日は買い物に行こう。
今年の自分へのクリスマスプレゼントを選びに行こう。
この季節になると、やたら高いアクセサリーが欲しくなるのは何故なんだろう。
誰も買ってくれないので、全て自分で買います。
ありがとう私。

髪型も変えてみようかな。
服装も変えようかな。
落ち着いた、大人の女性になりたい。