“どうしてこんなにしたくなっちゃうんだろう”
手を重ねて
肩を寄せて
掠めるようなキスをして
会えたらいつもすること
でも今夜
あなたの指がほんの少し
服の上から胸の突端に触れたら
音を立てて欲情が襲ってきた
流れに呑み込まれるように
身体がそれに持っていかれる
身の裡から湧いてくるのが触れなくてもわかる
布地をずらしてあなたが指を挿れたら
ずっとそこがあなたを待っていたこと
あなたにも分かってしまうね
“どうしてこんなにしたくなっちゃうんだろう”
耳元で告白した
こんなところで
着衣のまま
下着を外すこともなく
前戯もなしで
なんて 一聞すると
ジャンクなセックスかもしれないけど
手を握ることから
肩を寄せてキスをすることから
始まっていた
否
メールをする前から
会う前から
こうなることを望んでいた
だから
私にとってはジャンクじゃない
短い逢瀬でも
時間をかけてする時と変わらない
眩く光るもの
切ない気持ちと一緒に
あなたがくれるもの