タイムリープ。調べると和製英語のようだ。
細田守監督の映画『時をかける少女』。

僕は休みの日に限ってタイムリープしているようだ。

土曜日の朝、猫に起こされる。
休日が始まって、気がつくと日曜日の夜だ。
これぞまさに時間跳躍。土日限定のタイムリープ。

土曜日の朝起きてから、今までに一体何が起こったのだろうか。なんでこんなにも早く時間は過ぎるのか。
やりたいことは何か出来たか？
世の中は昨日より少しでも良くなったのか？
惰性で続けている携帯ゲームの中の主人公はレベルがひとつでも上がったのだろうか？

映画のような甘酸っぱい恋愛などない。
未来から来た人間に出会ったわけでもない。
青い空も、もくもくとした雲も、川沿いの夕日もないし、奥華子さんが歌う透き通った歌声も聞こえてこない。


労働が僕を手招きしている。こっちに来いと。
『逃げちゃダメだ』と、碇シンジくんがそう言う。


だから僕は次の休みに向かって走り出す。
次こそはタイムリープしないことを夢見て。