達人な鳩との格闘
ある初夏の心地よい昼。
その場、その日が決闘になるとは夢にも思わなかった。
ちょっとハードボイルドな書き出しだが、
男には戦わなければならない時があるのだ。
争いは何でも些細な事から起きる物だ。
その日、とても日射しが気持ち良かった為、
公園でボッチなランチを楽しもうと思い、
パンとお菓子を買ってイソイソと公園に向かった。
あくまでサボりでは無い。
午後の仕事を頑張るための休憩である。
むしろ会社の為に必要なボッチなランチなのだ。
公園のベンチに座りスマホを片手にパンを食べる。
パンは、もちろんニューブラウディ。
知る人ぞ知る、名作パン。
パン好きが選ぶ人気パンランキング3年連続No1になってもおかしくない激ウマなパンだ。
ただ、そんなランキングなと聞いたこと無いのが、
いかんともし難い所であろう。
ただ、このパン、センスが良く美味しいのだが、
ボロボロと屑が落ちる。
家や会社だとボロボロ落ちるのが気になり、大胆に食べれないのが玉にキズなのだ。
しかし、公園となれば気にする事はない。
むしろ蟻などの生態系には食べ物を供給すると言う意味で貢献してるとさえ言える。
パンの美味しさに感動しながらスマホを見ていると、視界の端に忍びよる影がっ!
自分「何だ?!」
達人「クルッポ~!」
鳩である。
平和の使者と言われ、体の色は都会での繁栄を求め、グレーに進化したと言われる、
ポケモン並の進化を遂げた噂のアイツだ。
自分「音も無く忍び寄るとは!なかなかやるな!しかしパンは譲らない!」
達人「ポッポ~!」
自分の気迫に圧倒されたのか鳩はパタパタと上空へ。
これで安心とパンをベンチの横に設置していた、
コンビニの袋の上に置き、
お茶を明けようとした、その刹那な瞬間!!
鳩「クルッポッポ!!」
なんと気配を消し、背後に回られていたのだ。
不覚である。
自分が、ちょっと気を抜いたその時、
達人鳩は狙っていたのだ。
しかし自分は人間である。
鳩ごとき鳥類に遅れを取る訳にはいかない。
パンを再び手に取ると、なんと言う事であろう。
達人鳩が腕に止まったのだ!!
彼は鷹でも無ければ、手乗り文鳥でも無い。
それが自分の腕に止まって睨みを効かしている。
驚くやら、重いやら、何が起こったのか分からず、
混乱しパンを落としてしまった。
自分の油断と至らなさで、ブラウディ君は自分の手から、鳩の領土に落下したのだ。
鳩「クルッポ~。」
このクルッポ~は意味が分かった気がした。
【愚か者が!】
もっと、砕けて言うと、
【大人しく最初から寄越せよ。カスがっ!】
と言った内容であろう。
確かに、まさか腕に止まるとは、
夢にも思わなかった。
人間の世界にも、さまざまな達人がいるが、
鳩界にも、達人がいると思い知らされパンは、
そのまま食われた。
楽しみにしてたのに。
あのパンの雪辱はいつか晴らしたいと思うが、
その公園には恐くて近づけないで、
今日に至っている。
この先も、あの公園には一切近づく事の無い人生を歩める様に、
より一層、頑張って行きたいと思う。
コメント
2017/03/25 11:39
2. >>1 まぁさん
コメントありがとうございます!
これからも鳩に襲われぬ様にビクビクしながら生きて行こうと思います。
返コメ
2017/03/25 8:31
1. 鳩……恐るべし!
めっちゃウケた(笑)
返コメ