たとえば掲示板、あるいはつぶやきやプロフで目についた女性に声をかけるとする。
このとき、相手にとってあなたはどういう人に映るだろうか。
どこかにいい人いないかなぁ～と思っていたときにたまたま声をかけてくれた素敵な方、では決してないことだけは誰でも自覚できることだろう。

正解は「声をかけてくることを全然期待していない相手、もしくは予期していなかった相手」である。
良くてデパートやスーパーの試食コーナーの店員さん、悪ければ歓楽街の客引きと同等の存在だ。
興味がなければ無視するに限る存在なのだ。

私は学生時代よく街頭ナンパをしていたが、女性に声をかけると8割がたは聞こえないふりをして完璧無視される。
残る２割のうち半数にはハエを追い払うように手で追い払われ、まともに返事してもらえるのは１割程度だ。
これは私のルックスがピーク期でせいぜい中の下くらいのレベルだったことにもよるのだろう。

まあそれでも100人に声をかければ数人はお茶か食事につきあってもらえる。
デートにこぎつけることができれば次の段階だ。
私はナンパに成功しても初対面ではお茶か食事だけ、を基本戦術にしていたので次の段階は「後日に二度目のデート」だ。

このナンパに成功したうちで二度目のデートが成立したのは全体の3～4割だったろうか。
この数値が良いか悪いかは比較対象がないのでわからない。
私は二度目のデートでは相手に応じて手をつなぎ、可能ならキス、さらに可能ならその先へ進む。
そしてその先、手をつないだ相手のゲット率は５割、キスできた相手のゲット率は８割だ。

成功率の数値だけで言えば第１関門は１割未満、第２関門は３～４割、そして最終関門は５～８割、先に進むにつれ確率はどんどん上がって行く。

少し考えていただければわかると思うが、最初のデートにこぎ着けた時点で私は「よって来たハエ」から「一緒に食事した相手」に昇格している。
二度目のデートでは「デートの相手」に昇格している。
つまり人と人との出会いは先に進めば進むほどおたがい相手にとってより大きな存在になれるのだ。

逆に言えば、出会いで最も難しいのは最初の段階、見知らぬ他人から言葉を交わす間柄になるところだ。
多くの男性はこのことに気づいていない。
つぶやきコーナーを見ていると「全然出会えない」と嘆く男性をほぼ毎日のように見かけるが、これはむしろ当然のこと、そこが最難関だからだ。

そして「全然出会いない」と嘆く男性に限って「会ってそのままエッチ」できる女性、のような途方もない夢を描くことが多い。
山に登ったことがない人には山登りの楽しさも難しさもわからない、だから「頂上に立つ自分」しかイメージできないのと同じだ。
これではうまく行くはずがない。

本気で出会いたいと思うなら最難関の部分に注力する、もちろんこれが正解だが、いくら注力しても難関が難関であることに変わりはない。
ではどうするか、難関をいくつかのステップに分けて「中間到達目標」を作っておくのだ。

まずは自分が送ったコメントで返事をもらえるようになること、
次は自分が書いた日記やつぶやきにコメントがもらえるようになること、
要は誰かと「会話ができるようになること」だ。

ナンパをするときに私が最初の目標にしていたことも「とにかく一言二言でも会話をすること」だ。
ナンパは数人に声をかけて１組か２組に返事をもらえても結局誰とも合流できずに終わることの方が多い。
ここでも「一言二言でも会話をする」ことをゴールにしていれば「収穫ゼロ」であっても「０点」にはならない。
たとえ２点でも３点でも自分に「中間点」をつけてあげれば、次の目標に向かう励みにもなる。

街頭ナンパに比べると誰でも声をかけやすい出会いサイトでは、出会いまでのハードルは高い。
何のやり取りもない段階で興味をもってもらえるのは写メだけで相手に訴求力を発揮できるイケメンだけである。
だがそれでも、会話のやり取りができれば出会いがかなう可能性は高まる。

私のようなポンコツでも10人とやり取りすれば1人くらいは「会ってみようか」と考えてくれるものだ。
出会いでは最初のハードルが一番厳しいことをしっかりと認識して取り組む。
そうすればそのうち道は開けると思うよ。