私は人間が三流だからか、物欲も三級品(B級)志向だ。

スポーツドライブが好きな割に150馬力以上の車は所有したことがない。
ヌードも風景も写真が大好きなクセに一眼デジカメは所有していない。
オーディオも好きなのだが本格オーディオが欲しいとは思わない。
PCに至っては６万円台のMac Miniがメインマシンである。

自分でも乗りこなせる車、自分が満足できる写真を撮れるカメラ、自分の耳が満足できるオーディオ、すべて自分という「器」に見合うものを求め所有するスタイルだ。
今年はちょっとしたきっかけで自宅のオーディオを入れ替えることになった。
発端は今年の6月に秋葉で1980円のBlueToothスピーカーを興味半分で買ってみたこと。
期待していたよりも音がよかったのだ。

その後いくつかの試行錯誤を経てリビングにはONKYOのミニコンポ、職場のデスクにはヤマハ、そして携帯用にソニーと、自分のオーディオを全てBlueTooth対応に買い換えて現在に至る。
音質もこの順によいのだが、なぜかこの中で最も劣るはずのソニーのXB10というスピーカーに愛着を覚えてほぼ毎日のように聴いている。
このスピーカーはちょうどマグカップくらいの小型サイズ、スピーカーの口径が小さいため低音をカバーするために底にパッシブラジエーターという振動板をつけて低音を増幅している。
クラシックをかけるとバイオリンなどの微妙な音色の変化が出ないが、BGMとしてポップスやロックを流すには十分な音質だ。

このスピーカーのおもしろいところは底面の振動板がデスクやテーブルに振動を伝えること、増幅された低音がズンズンと響き「何をかけてもロックになる」、そんなスピーカーなのだ。
本格的なオーディオを求める人にはこのスピーカーはガラクタにしか見えないことだろう。
だが、このスピーカーをオモチャと考えるならこれほど楽しいオモチャもない。

趣味の世界は本物志向と遊び志向のバランスで成り立っている。
オーディオにせよ車にせよ凝り始めるとキリがない。
サイトでのアダルトな出会いにも同じことが言える。

あくまでも打算を排し金銭的な関係を抜きに出会いを目指す人、
とにかく妥協を許さず肉体的にも手技的にも上質の女性を求める人、
いろいろな人がいてよいと思う。

求める理想が高くなれば出会うのが難しくなる。
ここで、そこに遊び心を求めると理想とは遠い相手であっても出会いが楽しくなる。
高級を求めずB級の楽しみを求める私の性格はB級揃いの出会いサイトには向いているのかもしれない。

※ 写真はSONY SRS-XB10