私はもともとドライブが好きなこともあり、出会いのために少しくらいの遠出なら苦にならない。
もっとも、はるばる出かけて行って冷やかしだったり「看板に偽りあり」のトンデモ女子だったりすることもある。
そんなときにはドライブを楽しめただけでもよかった、と満足するように心がけている。

あくまで脳内お花畑なＵ助なのである。

先日、ハメ撮りのアポが取れた。
相手は「細くないです」…ややポチャか激ポチャか…
待ち合わせは市内だが車で１時間くらいのところ…

普段ならここでキャンセルしてしまうところだが、この日は風のない快晴。
車は15年前のポンコツだが、ドライブするには絶好の天気だ。
ドライブだけでも楽しめれば、と考え私は出かけることにした。

待ち合わせは「ポプラ公園」、札幌市内には同名の公園がいくつかあるのでマップで検索してもなかなかヒットしない。
やっと場所を特定し、１時間かけて現地に着いた。
住宅街の一角にある小さな公園、ポプラ公園の看板がある。

が、公園にポプラの木はない。
普通の樹木が３本植えられているだけだ。
これで「ポプラ公園」とはどう考えても詐欺じゃないか。

家に帰った後、ネットで検索してみると札幌市内には「○○ポプラ公園」が10ヵ所以上ある。
ざっと覗いてみると、ポプラの植えられている公園もあるが、大部分の公園には肝心のポプラがない。
幹だけの切り株や枝葉を落とされた残骸の残る公園が2カ所、これを見て私は気づいた。

多くのポプラ公園にはもともとポプラが植えられていたのだろう。

ポプラは成長が非常に速く植えて数年で高さ10mを超す高木になる。
この性質は防風林に最適なためポプラは多くの場所で植えられ、いつしか北海道をイメージする木の代表格になった。
北海道を代表する木なら公園のシンボルとしてふさわしい。

だが、ポプラは寿命30～40年、樹木としては非常に寿命が短かい。
樹齢40年を超すと幹の内部が空洞化して自然倒木するため、その前に伐採しなければならない。
ポプラは巨木になるため伐採、撤去には多大な費用がかかるので、植え直すのも合理的ではない。

かくして多くのポプラ公園はいつしか看板に名前だけが残る公園になった。
ポプラは住宅地で住民と歴史を刻むには寿命が短かすぎたのだ。
それでも名前だけが残る小さな公園で往時を懐かしむにはいいのかもしれない。

ちなみに、私が待ち合わせした女の子は「細くないです」の看板に偽りなし、またも「正直者」であった。
めでたし、めでたし…　＿|￣|○

※　写真は待ち合わせのポプラ公園とポンコツの愛車