今日は札幌祭り､正式には北海道神宮例大祭､本当は北海道のお祭りなのだが､
なぜか札幌市民は｢札幌祭り｣という｡
札幌祭りは6/14～6/16の3日間､もともとは北海道神宮の周囲で行われていたのだが､
いつからか祭祀は神宮で､露店は中島公園に置かれるようになり､
今ではお祭りといえば中島公園でやっているものだと思う人の方が多い｡

もう20年以上前の失敗談…

学生時代､学校をｻﾎﾞって悪友と２人でお祭りに行ったときのこと｡

男２人､ﾋﾞｰﾙを片手にたこ焼きやﾌﾚﾝﾁﾄﾞｯｸを食べ池のまわりの芝生でごろ寝､
ほろ酔い気分で日なたぼっこするのは極楽気分､いつしか話は下ﾈﾀに流れ…
下ﾈﾀの応酬で盛り上がっていると､突然頭の上から女の子の声がした｡

｢昼間っから酔っぱらってｴｯﾁなお話､楽しそうね！｣
｢私たちもなんか飲みたいなぁ～｣

見上げると浴衣姿の女の子が２人と普通の服を着た女の子が２人､悪友がすぐに
｢ﾋﾞｰﾙくらいならいいよ｣
｢やったぁ～！｣
女の子たちから歓声が上がる｡
私たちは貧乏学生ではあったが浴衣姿の女の子と飲んでお話できるなら大歓迎だ｡
女の子たちは高校時代の同級生で今は二十歳､それぞれ学生やOLをしているという｡

ところが…

歩くうちに女の子が１人増え､また１人増え…
｢私は焼きそばが食べたいなぁ｣
｢あ､私　たこ焼き～｣
どんどん話も大きくなり､露店の前に到着したときは男２人女７人の御一行さま…

彼女たちはもともと総勢７人でやって来て途中ではぐれていたらしい。

｢おい､金…大丈夫か？｣
｢しゃあねえよ､財布空になったらそこまで…ってことで｣

男２人で昼飯がてらお祭りのつもりがとんだことになった｡

しかも…

｢ねぇ､さっきの話の続き聞かせてよぉ～｣
男２人が女７人に囲まれて下ﾈﾀを展開しても盛り上がるものではない｡
気分はまるで取り調べだ｡

それでも悪友がなんとか場をもたせ反撃に､
｢着物着るときは下着はいちゃいけないんだぞ｡下着の線が出るとかっこ悪いじゃん｣
｢えっ､出てる？｣
｢出てるよ｡水玉模様まで透けてるよ！｣
｢ざ～んねん！　水玉じゃなくｽﾄﾗｲﾌﾟだよ｣

少し座を盛り返し､なんとか女の子たちも話の輪の中に取り込むことができた｡
まあ女の子たちのﾃﾝｼｮﾝは低いが｢演者と聴衆｣でなくなっただけでもよしとしよう｡

･････

私たちの財布が底をつくと女の子たちは２人抜け､３人抜けいつの間にか女の子は２人だけになった｡
浴衣を着た女の子､ｴﾐが｢ねぇ､ﾜﾀｱﾒ食べたい！｣
私は｢２人で両側から食べるか？｣
ｴﾐは｢いいよ！｣

ﾜﾀｱﾒはｻｲｽﾞが大きい上にかぶりつくと顔中がﾜﾀまみれになってしまうので､
ﾎﾟｯｷｰを両側から食べるときのようなｽﾘﾘﾝｸﾞな展開にはならない｡
ｴﾐはかなり酔ったのか顔中にﾜﾀｱﾒをくっつけながら頑張っていた｡

最後の一口を食べ終わるとｴﾐは私の頬についたﾜﾀｱﾒを吸い取り､そのままｷｽしてきた｡
周囲の芝生では子どもたちが水鉄砲で遊んでいる｡
私はまわりが気になってしかたがなかった｡

いつのまにか悪友ともう１人の女の子もいなくなっていた｡

｢ねぇ､Ｕ助さんって１人暮らしなんでしょ｡お家はどこ？｣
｢○○だよ｣
｢ちょっと休ませて､こんなに酔っぱらって帰ったらｶﾝﾄﾞｰされちゃう｣
｢え…？｣
｢Ｕ助さん､本当に私たちのこと20歳だって思ってたの？｣
｢…！｣
｢今日は高校の開校記念日でお休みだったの｡皆同じｸﾗｽの子だよ｣



だが､本当に失敗だったのは浴衣に目がくらんで散財したことでもｴﾐを酔わせたことでもなかった｡

浴衣は脱がせるのは簡単だがきちんと着せるのは本当に難しい｡

教訓：自分で和服を着れない女の子の着物を脱がせてはいけない｡