背筋が凍った物語 1
60代前半  北海道(道央)
2011/07/31 19:28
背筋が凍った物語 1
日記に下書き機能がついたのは話を練りながら書いていける点で便利ですね。
もう5年ほど前のことですが、私が実際に体験したできごとを物語風にしてみました。
長いお話なのでいくつかに区切ってあります。(それでも長いですが…)


ある初夏の夕方、「20代前半ふつう体型」の女性とハメ撮りのアポを取った。
待ち合わせは築40年前後の老朽化した市営住宅が立ち並ぶ郊外の団地の一角にある公園、
着いてみると30メートル四方の狭い芝生にベンチと子どもの遊具がおいてあるだけの公園だった。

待ち合わせの時間にはかなり早かったので私は近くの自販でコーヒーを買い公園のベンチで待つことにした。
空にはカラスの群れが飛び交っている。
目の前の団地を見ると半分以上は空室のような印象で、窓が外れたまま、ガラスにヒビが入ったままの部屋も数軒ある。
他の団地も似たような状況なのだろう、本来なら立て替えの時期にある公営住宅が市の財政などの事情でまだ放置されている、そんなところだろうか。
公園の遊具も錆び付いている、ブランコは支柱が傾いている、ここで遊ぶ子どもはもういないのかもしれない。
団地街のゴーストタウン、ふとそんな言葉が頭に浮かんだ。


私がベンチで相手の女性にメールを打っていると頭の上から声がした。
「ねぇ、何してるの?」
目の前に女の子が立っていて、私の携帯を覗き込んでいる。
私がメールに集中していたために気づかなかっただけなのかもしれないが、私にはボワッとその場に現れたような気がして一瞬息がつまった。
「ちょっと休憩…」
「こんなゴーストタウンで?」
「そう、怪しいおじさんに見えた?」
「うん」
私は自分の頭に浮かんだ「ゴーストタウン」の言葉と妙な符合にギクリとしながら適当な返事でその場をごまかした。

女の子は少しすすけたTシャツに裾がすり切れたデニムのミニスカート、
体型はかなり細め、胸は小ぶりだが太ももはプリッとして悪くはない。
顔立ちは一重まぶたの細い目、顔全体をべったりと白く塗ったようなメイクに真っ赤なリップ、お世辞にもかわいいとはいえない。
メイクが濃いので年齢はよくわからないが20歳くらいだろうか。

待ち合わせにはまだ10分以上あるし、私が到着したことはこれからメールするところだったので、
この子が相手とは思わなかったが念のためきいてみた。
「もしかして待ち合わせのひと?」
すると、彼女は妙に納得したような顔をして「違うよ」とだけ答え去って行った。
もしかすると業者の偵察のようなものだろうか?、私はハッとして彼女が去った方向を振り返るともう彼女の影はなかった。

それからベンチで待つこと20分、私は奇妙なことに気づいた。


目の前の通りをさっきの女の子以外誰一人通らないのだ。


平日の午後5時前後、通りの向こう側には公営住宅が3、4棟並んでいるから少なくともこの一帯に数百人は暮らしているはずだ。
それなのに耳を澄ましても聞こえるのはカラスの羽ばたく音だけ、やはりおかしい。

私は昔見たヒッチコックのトワイライトゾーンという連続ドラマを思い出した。

…もしかするとここは現実の世界によく似た異次元の世界なのではないだろうか…
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