雪国に住むなら大雪から身を守る方法くらいは知っておこう
昨日の暴風雪により北海道で8人の死者が出た。
亡くなった方々には本当に気の毒なことだが、記事を読むと気の毒とばかり言ってはいられない。
中標津町で雪に埋もれて立ち往生した車の中で家族4人が死亡した。
死因は一酸化炭素中毒だと言う。
私はこれを読んで「そんなバカな…」と思った。
「車が雪の中に埋もれてしまったら直ちにエンジンを切ること」
私はこんなこと雪国で車を運転する者にとって常識だと思っていたのだ。
吹雪で恐ろしいのは降ってくる雪そのものではなく一度降った雪が風で運ばれる「地吹雪」の方だ。
降る雪は史上最大の降雪量をもってしても1時間に数十センチだが、一方地吹雪は1秒間に1メートルの吹きだまりを作ることさえある。
地吹雪が生じているところに車が突っ込んでしまえばほんの数秒間で車が完全に雪の中に埋まってしまうこともある。
車の排気口が雪で塞がれている場合、そのままの状況にしておくと雪で目張りされた車の中に雪に埋もれていない車体の下を伝って車内に排気ガスが入ってきてしまう。
この状況で車に閉じ込められてしまった場合には直ちにエンジンを切るのが正解だ。
この運転者は携帯で知人や消防に助けを求めながら2時間以上車に閉じ込められ亡くなったという。
寒い車内でも4人で暖めあって過ごせば1晩くらいは余裕で乗り切れたはずだ。
おそらく車が埋まった時点でエンジンを切り車内で体を寄せ合って寒さをしのいでいれば、誰も死なずに済んだはずだ。
知人も消防も車のエンジンが切られているかどうか電話で確認しなかったのだろうか。
運転者、知人、消防、誰か1人でよい。
注意を喚起してくれる人がいなかったことが悔やまれてならない。
他に車が雪に埋もれて近隣に助けを求め途中で力尽きて2名の方が亡くなったとのこと。
1名は娘と知人の家を目指す途中に力尽き、娘に覆いかぶさるように娘を守りながら死亡、娘は生還した。
もう1名は単身で救助を求め力尽きたらしいとのこと。
冬登山では常識だが、吹雪で視界が利かなくなった場合はその場でテントを張ってビバーク(野宿)するのが正解だ。
視界の悪いところで右往左往しても体力を消耗するだけだからだ。
どこかに退避する場合でも目で見える目的地以外を目指してはいけない。
「近くに退避先が見えないときは車から出ないこと」
エンジンさえ切ってあれば車内の空気だけで数時間は酸素が不足することはない。
降る雪は中に大量の空気を含んでいるので完全に雪に閉じ込められても1晩くらいは大丈夫だ。
親子連れのほうは車内で籠城していれば2人とも助かった可能性が高いと思う。
車外で遭難した2組にはもうひとつ気になる点がある。
2組はそれぞれ車から2, 300メートルのところで発見されている。
記事には書かれていないので想像だが、力尽きるまでにこれしか進めなかったのは雪が深かったからではないか。
常人の体力で徒歩で進めるのは雪がひざ下の深さまでだ。
足がひざまで雪に埋まる場合、1歩進むたびにハードルを乗り越える労力が必要だ。
日頃鍛錬を重ねた兵士でさえ「八甲田山」のようなことになる。
「雪がひざより深いときは引き返すこと」
例えゴールがすぐ先に見えてもそのゴールは遠いと理解することが必要だ。
無知がもたらした事故、私はこれほど不幸なことはないと思う。
知っているだけで身を守ることができる知識はできるだけ多くの人に知っていただきたい。
【3/5 追記】
皆様から私としては望外のご評価をいただき本当にありがとうございます。
その後の報道を読むと車外で遭難したのは雪が深かったからではなく、当時「ホワイトアウト」という視界ゼロの雪嵐が発生していたようです。
これは一度降った雪が強風で舞い上がり空中に煙幕を張ってしまうような現象ですが、ひどいときは10メートル先の車のライトが見えなくなるほど視界が悪くなります。
360度の雪煙に囲まれていると人は方向感覚を失いやすく、特に強風下では雪が目に舞い込んで目を開けているのが難しいため、目を閉じたり風から身をかばううちに容易に方向がわからなくなるものです。
この状況下では車から10メートル離れただけでもう自分の車の位置がわからなくなることがあり大変危険です。
一方で多くの場合、猛吹雪には必ず強弱があり一晩中視界ゼロが続くなどということはまずありません。
「視界ゼロのときは車に籠城、視界が回復するのを待つ」
たとえ寒くても車の中には雪も風も入ってこないので車外よりははるかに安全であることだけでも多くの人に知ってほしいですね。
コメント
2013/03/05 0:34
20. 初めまして
![[あせあせ(飛び散る汗)]](https://img.550909.com/emoji/ic_asease.gif)
吹雪の酷いときに車を運転していたのですが、まわりが何も見えなく何度も止まりながら帰って来ました
道東育ちですが、こんなのは今までなかったかと…
報道もされてましたし、日記も読ませて頂いて色々勉強になりましたm(__)m
翌日は朝から太陽が眩しくて……亡くなられた方のことを思うと……
返コメ
2013/03/04 23:22
19. 以前震災後に書いたチェーン日記をコピペしてアップしました〓
お時間あればご確認ください
返コメ
2013/03/04 22:26
18. >桃果
さん
こんばんは
北海道でもこれほどの雪の災害はめったにあることではないので、私も雪の怖さを改めて認識しました。
こんな悲惨なことは二度と起こらないで欲しいです。
返コメ
2013/03/04 22:17
17.
北海道は行ったことがなくこういうことが起こりえるなんて知りませんでした。
本当に残念ですね。
返コメ
2013/03/04 21:18
16. >タケオさん
こんばんは、おひさしぶりです。
そうですね。無知のために自分や家族の命を守ることのできない不幸は少しでも減らしたいです。
雪も火などと同じく身の回りに日常存在するものですが、いざというときのためにその恐ろしさを忘れないことが大切ですね。
返コメ
2013/03/04 20:24
15. 災害時の対処は地域ごとに違うので、日頃から頭の片隅にでも置いておかなければなりません。
![[あせあせ(飛び散る汗)]](https://img.550909.com/emoji/ic_asease.gif)
自分の命を守れないだけならまだしも、無知のために家族を守れなかったと思うとやり切れないものがありますね
仕事柄、事故や災害の可能性はいつも身近に潜んでることを理解しているつもりですが、それでも恐ろしいと思う感覚は忘れてはいけないと思います。
所詮、人間は自然に勝つことは出来ませんから。
返コメ
2013/03/04 19:51
14. >うるおさん
なるほど
ガス警報機、煙感知器、一般家庭にも常備されているものですからこれは是非車にも装着してほしいですね。
政府からも現場に人が派遣されるそうですから、今回の事故を教訓にそのあたりの提言を持ち帰ってほしいものです。
返コメ
2013/03/04 19:47
13. >U助さん
実際にはわからないけど開発費は要らないでしょ?
実際にガス漏れ警報機のようにすでにCOのセンサーは実用化されてるんですから
だったらそれくらいの価格で出来るんじゃないかな?
って思ってみました
(ニヤリ)
返コメ
2013/03/04 19:18
12. >うるおさん
CO測定装置って¥3,000~¥5,000くらいでつけられるんですか?
それなら今後発売される車には前者標準装備にしてほしいですね。
雪に埋没だけではなくトンネル内立ち往生、車庫内での事故防止などCO監視の役立つ場面は多いはずです。
あ…支援日記まで本当にありがとうございます。
コメするのは照れるので、ここでお礼まで…
返コメ
2013/03/04 19:14
11. >こんとみ(ゴーイングマェバラィ)さん
こんばんは
たしかに災害時にとっさの適切な対応ができるかどうかは難しいかもしれませんね。
何カ所にも携帯で助けを求めていた親子には誰か1人だけでも助言があれば…と思うと本当に残念です。
CO濃度測定は一部の工場などではすでに実施されていますから、車にもこれを装着するのはとてもいいアイデアだと思います。
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