雪国に住むなら大雪から身を守る方法くらいは知っておこう
60代前半  北海道(道央)
2013/03/04 15:32
雪国に住むなら大雪から身を守る方法くらいは知っておこう
昨日の暴風雪により北海道で8人の死者が出た。
亡くなった方々には本当に気の毒なことだが、記事を読むと気の毒とばかり言ってはいられない。

中標津町で雪に埋もれて立ち往生した車の中で家族4人が死亡した。
死因は一酸化炭素中毒だと言う。
私はこれを読んで「そんなバカな…」と思った。

「車が雪の中に埋もれてしまったら直ちにエンジンを切ること」

私はこんなこと雪国で車を運転する者にとって常識だと思っていたのだ。

吹雪で恐ろしいのは降ってくる雪そのものではなく一度降った雪が風で運ばれる「地吹雪」の方だ。
降る雪は史上最大の降雪量をもってしても1時間に数十センチだが、一方地吹雪は1秒間に1メートルの吹きだまりを作ることさえある。
地吹雪が生じているところに車が突っ込んでしまえばほんの数秒間で車が完全に雪の中に埋まってしまうこともある。

車の排気口が雪で塞がれている場合、そのままの状況にしておくと雪で目張りされた車の中に雪に埋もれていない車体の下を伝って車内に排気ガスが入ってきてしまう。
この状況で車に閉じ込められてしまった場合には直ちにエンジンを切るのが正解だ。

この運転者は携帯で知人や消防に助けを求めながら2時間以上車に閉じ込められ亡くなったという。
寒い車内でも4人で暖めあって過ごせば1晩くらいは余裕で乗り切れたはずだ。
おそらく車が埋まった時点でエンジンを切り車内で体を寄せ合って寒さをしのいでいれば、誰も死なずに済んだはずだ。

知人も消防も車のエンジンが切られているかどうか電話で確認しなかったのだろうか。
運転者、知人、消防、誰か1人でよい。
注意を喚起してくれる人がいなかったことが悔やまれてならない。

他に車が雪に埋もれて近隣に助けを求め途中で力尽きて2名の方が亡くなったとのこと。
1名は娘と知人の家を目指す途中に力尽き、娘に覆いかぶさるように娘を守りながら死亡、娘は生還した。
もう1名は単身で救助を求め力尽きたらしいとのこと。

冬登山では常識だが、吹雪で視界が利かなくなった場合はその場でテントを張ってビバーク(野宿)するのが正解だ。
視界の悪いところで右往左往しても体力を消耗するだけだからだ。
どこかに退避する場合でも目で見える目的地以外を目指してはいけない。

「近くに退避先が見えないときは車から出ないこと」

エンジンさえ切ってあれば車内の空気だけで数時間は酸素が不足することはない。
降る雪は中に大量の空気を含んでいるので完全に雪に閉じ込められても1晩くらいは大丈夫だ。
親子連れのほうは車内で籠城していれば2人とも助かった可能性が高いと思う。

車外で遭難した2組にはもうひとつ気になる点がある。
2組はそれぞれ車から2, 300メートルのところで発見されている。
記事には書かれていないので想像だが、力尽きるまでにこれしか進めなかったのは雪が深かったからではないか。

常人の体力で徒歩で進めるのは雪がひざ下の深さまでだ。
足がひざまで雪に埋まる場合、1歩進むたびにハードルを乗り越える労力が必要だ。
日頃鍛錬を重ねた兵士でさえ「八甲田山」のようなことになる。

「雪がひざより深いときは引き返すこと」

例えゴールがすぐ先に見えてもそのゴールは遠いと理解することが必要だ。

無知がもたらした事故、私はこれほど不幸なことはないと思う。
知っているだけで身を守ることができる知識はできるだけ多くの人に知っていただきたい。

【3/5 追記】
皆様から私としては望外のご評価をいただき本当にありがとうございます。

その後の報道を読むと車外で遭難したのは雪が深かったからではなく、当時「ホワイトアウト」という視界ゼロの雪嵐が発生していたようです。
これは一度降った雪が強風で舞い上がり空中に煙幕を張ってしまうような現象ですが、ひどいときは10メートル先の車のライトが見えなくなるほど視界が悪くなります。
360度の雪煙に囲まれていると人は方向感覚を失いやすく、特に強風下では雪が目に舞い込んで目を開けているのが難しいため、目を閉じたり風から身をかばううちに容易に方向がわからなくなるものです。
この状況下では車から10メートル離れただけでもう自分の車の位置がわからなくなることがあり大変危険です。

一方で多くの場合、猛吹雪には必ず強弱があり一晩中視界ゼロが続くなどということはまずありません。
「視界ゼロのときは車に籠城、視界が回復するのを待つ」
たとえ寒くても車の中には雪も風も入ってこないので車外よりははるかに安全であることだけでも多くの人に知ってほしいですね。
コメントする

コメント

60代前半  北海道(道央)

2013/03/04 19:08

10. >裏 《アノコノカケラハミツカラナイ》さん

こんばんは

登山などで雪の怖さを熟知しておられる裏さんにとっては本当に目を疑うほどの事件だったことでしょうね。

誰でもどんな方法でもいいから少しでも注意を促してほしい、私もそう願います。

60代前半  北海道(道央)

2013/03/04 19:03

9. >一堂くんさん

こんばんは
私も娘をかばって犠牲になったお父さんには感動しました。

ただ、この事例ではただ感動するだけではダメだと思ったのです。
尊い精神で犠牲になった方には本当に失礼ですが、後に続く犠牲者が出ないために何が必要か、そのために日記にしました。

60代前半  北海道(道央)

2013/03/04 18:50

8. >さっクンさん

こんばんは

私も道東地方の出身ですが、たしかに道東側は豪雪が少ないので対処する知識が普及していないのかもしれませんね。
更新時講習では交通事故ばかりでなく災害に対する注意喚起も望ましいと思います。

暴風雪は立春の後のほうが猛威をふるうことが多いことなども気象庁などで注意を促して欲しいところです。

60代前半  北海道(道央)

2013/03/04 18:43

7. >うるおさん

ご賛同ありがとうございます。

私は地元紙でこの記事を読んだとき、悲しいと思うと同時に腹が立ったのです。
雪国で暮らす人たちをこんなことで死なせてはいけない、それでいつもより出しゃばった日記を書いてしまいました。

次からはまた本来のエロ中年に戻るつもりです。

50代後半  岐阜県

2013/03/04 17:45

6. >こんとみ(ゴーイングマェバラィ)さん

横レス失礼します

車内CO濃度orO2濃度を測定して、エンジン止めるなり警報ならすなり、機械側の工夫

↑これ良いですよね

実際知人で排気パイプの中に大きなネズミが入り込んで死んでしまい

それを知らずに運転してCO中毒になりかけた事案を知っています

北海道のディーラーはオプションで販売すれば良いのにと思います

エンジンに直結しなくてもアラームを鳴らすだけなら

かなり廉価(¥3000~¥5000くらい?)に出来るんで

30代前半  石川県

2013/03/04 17:36

5. 日常に現れた厄災に対して適切に対応できるかどうかってのは、なかなか難しいと思います。ただ、外部と連絡をとっていた親子は、“救い得た命”ですね。
車内CO濃度orO2濃度を測定して、エンジン止めるなり警報ならすなり、機械側の工夫も欲しいところです。

40代半ば  北海道(道央)

2013/03/04 16:48

4. 私も目を疑いました。困ったときは誰でも情報を欲するもの

普段、頻繁に天気や道路情報を流しているラジオとかで
注意喚起をしてくれたらなと思いましたね。

50代前半  北海道(道央)

2013/03/04 16:41

3. 娘を守って亡くなった父親の報道を見て、不覚にも涙しました。

北海道に居住しながら、雪のことは案外知らないものだとも痛感しています。
正直、車が雪に埋もれたらエンジンを切る、ということも初めて知りました。

今は携帯電話で外部との連絡も容易なのですから、誰かが正しい知識を与えることが重要なのでしょうね。

50代半ば  北海道(道央)

2013/03/04 16:34

2. 今テレビでも同じことを言ってました。
日本海側よりも比較的雪の少ないオホーツク海側の方は知識が乏しのかもしれません。
北海道の場合更新講習などでも注意喚起すべきかもしれません。
冬の嵐より、この春に変わって行く時期の嵐のほうが凄まじいですね

50代後半  岐阜県

2013/03/04 15:53

1. 雪国暮らしではないので知らないことばかりでした

俺なりの考えで日記に『拍手』はしないと決めていたのですが

約2年ぶりに『拍手』しました

U助さんには放射能の時依頼教えていただいてばかりで

本当にありがとうございます

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…