STAP細胞 ~ 問題の本質はコピペでもパクリでもない
また日本から発表された学術論文が物議をかもしている。
ニュースが大きくなると話題が本質から離れ発表者自身の学位論文にまで及ぶのもいつもの流れだ。
たしかに論文の一部がほかの論文のパクリであったりコピペであったりするのはいただけない。
だがこの問題はそれだけではない。
もっと本質的なところが問題なのだ。
STAP細胞自体は新奇なものではない。
もともと人間をはじめとする動物は全て1個の多能性幹細胞である受精卵が分裂を繰り返すうちに皮膚、神経、筋肉などに分化していき、一度分化した細胞は原則として別種の細胞に変化することはない。
たとえば皮膚細胞は遺伝子の中に「自分が皮膚細胞である」という分化情報が記憶されているために皮膚細胞として増殖する。
ここで人工的に細胞の中に皮膚や神経など複数の分化遺伝子を注入すると分化情報がリセットされ「万能幹細胞」を作ることができる。
これがiPS細胞である。
ところで、ヤモリなどトカゲの仲間には尻尾を切り落とされても自然に再生してくる動物がいる。
尾が再生するということはその皮膚、血管、筋肉のそれぞれが再生されるということであり、実際にトカゲの尾を切るとその断端部には多能性幹細胞が出現することが確認されている。
これはもともと皮膚、あるいは筋肉に分化していた細胞が切断という刺激によって未分化の細胞に逆戻りするということであり、この細胞がSTAP細胞(刺激惹起による多能性細胞)と呼ばれるものだ。
つまりSTAP細胞はもともと自然界に存在するものなのだ。
「STAP細胞なる細胞が人工的に作成できた」とする発表の後、多くの研究者がその追実験を行っているが、まだ誰も成功していない。
研究成果は「他の人にもその正当性を確かめることができること」、これを「再現性」というのだが、この再現性が保証されていることが重要だ。
実験結果を公表する際には自分たちで何度も同じ実験を繰り返しその再現性を確認した上で発表する、科学の世界では常識だ。
まだ発表されて日が浅いためまだ追試に成功した者がいないだけかもしれないが、多くの人が追試して誰も成功しないのでは発表自体が「ガセネタ」と疑われてもしかたがない。
本来研究成果は大きいものであるほど反響を呼び、それに比例して批評の目も厳しくなるものだ。
「世界的な大発見」であれば多くの批評に堪えられるように十分な検証の上で世に問う、これまた当然のことだ。
ハーバード大で実施された補完実験の一部は成功しており、研究全体がインチキなわけではないと思う。
しかし、日本に十数名も共同研究者がいながら結果の再現性を証言する人が1人もいないこと、これが一番の問題だ。
日本の研究者の内部で十分な追試、検証が行われなかったということだ。
誰か1人が「できた、できた」と言い、まわりが「そうか、やった、やったぁ」で発表してしまった、これがこの問題の本質である。
これではいつまた誤った研究成果が発表されてもおかしくない。
日本のマスコミは相変わらず発表者個人の追及に余念がなさそうだが、そんなことでは問題の本質的解決には到底及ばないことであろう。
私なら共同研究者1人1人にこう尋ねてみたい。
「あなたは共同研究者としてこの実験の検証をしたことと存じますが、その結果はいかがでしたか?」
コメント
2014/04/25 6:18
15. >>14 かんざきさん
おはようございます。
この日記を書いた後で徐々に明らかになってきましたが、やはり「できた、できたぁ」に「そうか、やったぁ」で発表してしまった、というのが実情だったみたいですね。
国際的には「理研」の存在意義に関わるほどの問題なのに、日本ではまだ「誰が悪者?」的な議論に終始しているのも苦笑するしかありません。
返コメ
2014/04/25 0:38
14. こんばんは(^_^)v
なるほど、おっしゃる通りですね!!
私も、実は同じ疑問を感じておりました。
共同研究者達も、その実験に立合い、確認しているんじゃないの・・・?!
でも、実際は違うみたいですね・・・( TДT)
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2014/03/16 23:23
13. >>12 葛西さん
全くその通りだと思いますよ。
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2014/03/16 22:32
12. 日本の科学の危機を訴えるより、リケジョを叩く方が売れるから![[がまん顔]](https://img.550909.com/emoji/ic_face_endure.gif)
日本のマスコミはクズの集まりだから
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2014/03/16 22:29
11. >>10 U助さん![[あせあせ(飛び散る汗)]](https://img.550909.com/emoji/ic_asease.gif)
世界を知らない恐ろしさですね
所詮マスコミは金儲けしか考えてないですからね。
ジャーナリズムが無い。
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2014/03/16 22:25
10. >>9 葛西さん
私もそう思います。
NatureやScienceという雑誌は医学生物学、物理学から農学工学まで全ての科学分野の最高峰の権威ですから、そこで信用が失墜するということは日本が誇るべき科学技術全体の信用が失墜するということです。
報道も国民の捕らえ方も危機感がかなり不足しているように感じますね。
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2014/03/16 22:20
9. >>8 U助さん
正に日本の危機ですね
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2014/03/16 22:16
8. >>6 葛西さん
こんばんは
全くその通りです。
研究発表とはメーカーにとっての新製品と同じこと、査読もせずに世に出すのは動作確認もしていない新製品を発売するのと同じことです。
これを謝罪だけで済ませようとすれば「お前のところの製品はもう買わんよ」=「日本の科学はもう信用せんよ」と言われてもしかたがありません。
日本が「科学技術の先進国」であり続けたいと願うなら、これは医学生物学の分野に限らず物理化学工学全ての分野において沽券に関わる大問題のはずです。
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2014/03/16 22:08
7. >>5 まこさん
コメントありがとうございます。
日頃はノー天気なエロオヤジなんですが、ノー天気なオヤジから見ても見当違いなことを言うマスコミにちょっと疑念を呈したくなったのです。
返コメ
2014/03/16 21:50
6. 普通会社だったら部下の失敗は上司が責任取るでしょう![[冷や汗2]](https://img.550909.com/emoji/ic_face_csweat02.gif)
?
![[がく~(落胆した顔)]](https://img.550909.com/emoji/ic_feel_down.gif)
トヨタのリコールで、社長が知らなかったで済まされると思っているのか
こんなんだから日本はナメられるんですよ
世に出た論文で査読なしの論文が結構あるんだから
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