STAP細胞 ~ 問題の本質はコピペでもパクリでもない
60代前半  北海道(道央)
2014/03/15 14:52
STAP細胞 ~ 問題の本質はコピペでもパクリでもない
また日本から発表された学術論文が物議をかもしている。

ニュースが大きくなると話題が本質から離れ発表者自身の学位論文にまで及ぶのもいつもの流れだ。
たしかに論文の一部がほかの論文のパクリであったりコピペであったりするのはいただけない。
だがこの問題はそれだけではない。

もっと本質的なところが問題なのだ。

STAP細胞自体は新奇なものではない。
もともと人間をはじめとする動物は全て1個の多能性幹細胞である受精卵が分裂を繰り返すうちに皮膚、神経、筋肉などに分化していき、一度分化した細胞は原則として別種の細胞に変化することはない。
たとえば皮膚細胞は遺伝子の中に「自分が皮膚細胞である」という分化情報が記憶されているために皮膚細胞として増殖する。

ここで人工的に細胞の中に皮膚や神経など複数の分化遺伝子を注入すると分化情報がリセットされ「万能幹細胞」を作ることができる。
これがiPS細胞である。

ところで、ヤモリなどトカゲの仲間には尻尾を切り落とされても自然に再生してくる動物がいる。
尾が再生するということはその皮膚、血管、筋肉のそれぞれが再生されるということであり、実際にトカゲの尾を切るとその断端部には多能性幹細胞が出現することが確認されている。
これはもともと皮膚、あるいは筋肉に分化していた細胞が切断という刺激によって未分化の細胞に逆戻りするということであり、この細胞がSTAP細胞(刺激惹起による多能性細胞)と呼ばれるものだ。
つまりSTAP細胞はもともと自然界に存在するものなのだ。

「STAP細胞なる細胞が人工的に作成できた」とする発表の後、多くの研究者がその追実験を行っているが、まだ誰も成功していない。
研究成果は「他の人にもその正当性を確かめることができること」、これを「再現性」というのだが、この再現性が保証されていることが重要だ。
実験結果を公表する際には自分たちで何度も同じ実験を繰り返しその再現性を確認した上で発表する、科学の世界では常識だ。
まだ発表されて日が浅いためまだ追試に成功した者がいないだけかもしれないが、多くの人が追試して誰も成功しないのでは発表自体が「ガセネタ」と疑われてもしかたがない。

本来研究成果は大きいものであるほど反響を呼び、それに比例して批評の目も厳しくなるものだ。
「世界的な大発見」であれば多くの批評に堪えられるように十分な検証の上で世に問う、これまた当然のことだ。

ハーバード大で実施された補完実験の一部は成功しており、研究全体がインチキなわけではないと思う。
しかし、日本に十数名も共同研究者がいながら結果の再現性を証言する人が1人もいないこと、これが一番の問題だ。
日本の研究者の内部で十分な追試、検証が行われなかったということだ。

誰か1人が「できた、できた」と言い、まわりが「そうか、やった、やったぁ」で発表してしまった、これがこの問題の本質である。
これではいつまた誤った研究成果が発表されてもおかしくない。

日本のマスコミは相変わらず発表者個人の追及に余念がなさそうだが、そんなことでは問題の本質的解決には到底及ばないことであろう。
私なら共同研究者1人1人にこう尋ねてみたい。

「あなたは共同研究者としてこの実験の検証をしたことと存じますが、その結果はいかがでしたか?」
コメントする

コメント

60代前半  大阪府

2014/03/16 14:41

5. 初めまして。
大変勉強ななりした。
ありがとうございます(・∀・)ウン!!

60代前半  北海道(道央)

2014/03/16 8:08

4.  >>3 シンさん
おはようございます。
おひさしぶりです。

私も過去に経験がありますが、たしかに学会には「名前貸し」程度の共同著者、共同研究者が多いですね。
ただ今回の事例のように「名前だけ」共同研究者であっても問題があればその責任を問われます。
実際に共同研究を実施したハーバード大の教授は研究自体が正しいことを独自に発表すると言っているのに対して、日本からはその実際部分に対する援護射撃が全くありません。

もしかすると日本の共同研究者は全員「名前貸し」だったのでしょうかね。

40代半ば  愛知県

2014/03/16 1:49

3. 
こんばんは。

十数年前の物理学界の大不正
事件のヘンドリックシェーン
の事例を見ても、共同研究者
や論文の共著者は「名前だけ
貸している」というのも多い
みたいなので、今回の事が特
別というわけではないかもで
すね。

60代前半  北海道(道央)

2014/03/15 18:54

2.  >>1 一堂くんさん
こんばんは

あの会見は本当に他人事のような感覚ですね。

まあ理研自体は複合研究施設なので個々の研究全てをチェックするのは難しいのかもしれませんが、同じ理研の中には共同研究者もいるわけですから、その共同責任者からの「科学的な説明」がないのはきわめて不自然です。

あれでは意図的に他人事会見を行って事実を隠蔽していると受け取られるかもしれません。

50代前半  北海道(道央)

2014/03/15 18:29

1. 理研の記者会見を見ましたが、なんか他人事っぽい感覚が否めません。

まるで会社の上司が、仕事上のミスを部下のせいだと言い張っているような…

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…