躾箸
夕食時にいつもの黒塗りのぼくの箸が見当たりません。代わりに、躾箸がぼくの目の間に置いてありました。女房に「もしかして、あの躾箸は俺の?」と聞きました。女房は、ただ一言「ウン。」と答えました。
結婚当初から女房から「あなたの箸の持ち方はおかしい」と指摘されてはいたが、別におかしな持ち方でも不自由はしないので、改めることもなく今日に至りました。
暗に孫たちの躾の為に改めろという女房の無言の主張なのでしょうね。
たとえ、孫たちの躾のためとはいえ、ぼくの癖に結婚以来女房が気づいてくれたことは嬉しいことです。愛情の反対は憎しみでなく無関心だから。一抹の希望を抱きました。