歳を経た従兄弟の結婚式に参列しました。
教会での結婚式は、それなりに厳かでありました。

「誓いの言葉」、二人は何のためらいもなく神父に対して「誓います」と答えました。

この誓いの重さをそう若くはない二人が知るのは、果たして何年後なんだろうなどと意地悪な想像をしながら、ぼくは二人の誓いの言葉を聞いていました。

この従兄弟、小さい時から他の兄弟と違って大人しく、自分の世界に熱中するタイプでした。よって、彼の両親も唯一彼の将来だけが心配の様子でした。

そんな彼が大人になり、テレビでも紹介されるほどの職人となりました。それでも、ぼくらは彼が結婚するなんて思ってもいませんでした。

そんな彼が今日の日を迎え、新郎としての挨拶をしました。それは、今まで聞いたどの新郎の挨拶よりも誠実な挨拶で、聴いていて涙が溢れでました。

彼ならもしかしたら、誓いの言葉を生涯守れるかもしれないなと思いました。