月光(誉田哲也)
・著者:誉田哲也
・単行本:332ページ
・出版社:徳間書店 (2006/11)
・読書開始日:2012/02/20
・読了日:2012/3/2
・定価:¥667
『出版社/著者からの内容紹介』
お姉ちゃんは殺された、同級生の男子に。偶然のバイク事故に見せかけて、殺されたんだ。美しくて、優しくて、心の真っ白な人だった。お姉ちゃんの死の真相は、あたしがはっきりさせる―。あとを追うように、姉と同じ都立高校を選んだ結花。だがそこには、覗いてはならない姉のおぞましい秘密が―。
『感想』
妹の結花には、姉の涼子が隠し続けた秘密、守りたかった人の秘密、救いたかった人の秘密を追いかけ暴くのは止めて欲しかったけど、誉田さんが妹の結花にだけは家族と血が繋がっていない事実を隠して書き上げたのは、全てを知ってしまった結花への優しさだったかも知れませんね。
amazonレビューでは酷評も多いこの作品、やっぱり登場人物がぼけているようには感じました。犯罪シーンも多く、官能小説として読めてしまう頁の量もある程度あったので女性にはお勧めできない部分もありました。
でも涼子という人物の生き様は記憶に残ったし、過ちに気付かせる為に加害者のバイクに身を投げ生涯を閉じてしまったシーンは胸を打ちました。憎みべき相手を許し応援したくなる本作でも、随所に魅せる誉田節が健在で好感でした。