自然体
30代半ば  東京都
2020/06/19 4:38
自然体
コロナが広まる前、
ある通勤電車での事。

いつも乗る電車より、1本早い電車に乗った。
朝の通勤電車は、同じ時間同じ車両に乗ると大体顔ぶれが一緒で、知り合いではないけど割と顔見知り感が出てくる。
まぁ1本早い電車なので、アウェイ感…笑

ひとつ先の停車駅が、大きい駅なので
人の入れ替わりが激しく起きる。

その日はちょうど、その駅から
席が空いて座ることが出来た。

僕の座った目の前に、女性が立つ。
すらっとした30代半ばくらいの綺麗な女性。

電車が動き出す…
女性は揺れる電車の動きに合わせるように、吊り革を掴む。

吊り革をつかんだ女性の、ピンと伸びた小指にドキリとした。
女性らしいしぐさと言うか、こう小指を立てる女性特有の…あれ。

想像力がある種豊かすぎる自分は
エロスを感じてしまった。
朝から、何を馬鹿な。

でも、とてもとても気になってしょうがない。

彼女はああやって、掴むんだ。
あのエロい感じに小指を立てて、
ああ、なんていやらしいんだ…

あっという間に乗り換えの駅だった。

未だに、ひとつ先の駅で
その女性の姿を探す。

あれ以来、その女性を見かけていない。
あれは…幻?

ある朝のエピソード。
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