私も統合失調症の患者です。昨日はキッチンで料理を作ろうとしたらくだらない考え事をしてしまい、おかず１つ作るのに３時間以上かかってしまいました。昨日、よい統合失調症についての質問と回答を見つけたので載せておきます。本当にこの方々の言う通りだと思いました。

(質問)統合失調症の方は筋の通ったしっかりした文章が書けるのに、家事ができないというのは、どういうメカニズムなのでしょうか？

たとえば、料理

献立を決め、材料を考え、スーパーに行き食材を購入、下ごしらえをして、調理をする

いったいどの辺りがダメなのか？

一時、部屋などを片付けられない女というのが、テレビなどで取り上げられましたが、あれと同じなのでしょうか？

こういう方は社会で普通に働くことができるのでしょうか？

他人から見ると、お気楽で怠け者のように見られてしまい気の毒な気がします

2010/01/03 17:02

(回答)回答者さん

こんにちは、姉が統合失調症のものです。

精神の病気は一般の人は正しい知識を持たない故になかなか理解されにくい病気ですね。

まず、心の病といわれますが、脳という臓器の病気であると理解してください。脳の中での情報をやり取りする神経伝達物質が異常をきたす事によって起こる病気です。

さて、統合失調症の方は 筋の通ったしっかりした文章が書けるのに、家事ができないというのは、どういうメカニズムなのでしょうか？という質問ですが。。。
統合失調症は、認知障害がある病気だということです。
認知の統合が失調（出来なくなる）する病気です。
人間の認知機能は、情報の受信・処理・送信を行う事で行われます。それに対して統合失調症はそのプロセスに障害が起こる訳です。例えば、りんごという情報があるとすると、それを見て受信します。それを処理する時に赤い物体として捉え、赤は共産党となり、送信で共産党の物は食べれないといった発言が出てきたりする事になります。
こういった、混乱が酷くなると滅裂思考や言葉のサラダといわれるような状態になってしまいます。

統合失調症も人によって軽度の場合もあれば重度の場合もあります。また、認知障害のどの部分の間口が狭いかによって対応が変わってきます。人によって受信は問題ないが処理に障害がある人や、送信に問題がある人等さまざまです。
認知障害の特徴として複雑なプロセスだと混乱してしまうという事があります。一つ一つの指示ではきちんと出来ても複雑な作業をいっぺんにしようとすると出来ません。
また、集中力もとても下がってしまいますし、疲れやすいですね。統合失調症の方の社会復帰をしている人の平均的な就労時間は3.4時間だと言われています。
決して、お気楽で怠けているわけではありません。そういう生きづらさを持っている人たちなのです。
また、就労の定着支援でジョブコーチなどがいますが、障害の特徴に合った支援の体制や環境がそろえば充分社会に貢献していく事は可能です。
料理でも一つ一つ図などを使いながらでもやっていけば出来ます。実際に就労継続の施設などではケーキなどをメンバーさんだけで焼いてパッケージをして販売をしているところもありますよ。
認知障害に対するものとして有効な療法として認知行動療法があります。その中でＳＳＴ（社会生活技能訓練）といわれる物がありますが、それぞれの抱える課題に対してその場を用意してロ－ルプレイングをしながら経験を積み自己対処能力をあげていく事が出来ます。

追伸
統合失調症は自我同一性の問題を持つ病気です。人はその経験から来る価値観によって自我を形成しています。その自我の境界が揺らいで自分のアイデンティティを保てない状態になっているときに、貴方の常識は間違っているとその価値観を否定するとその人自身を否定する事になります。それは、病気を悪化させる事にしかなりません。
その人の価値観は自分で考えた結果変わっていくという事（自己覚知）が必要なのです。押し付けでは変わりません。そのためには、孤立させずにピアの環境のある居場所となる社会資源につなげたりなど環境を整えてあげる必要もあります。
統合失調症の人に対しては否定を行わず受容の態度で接していく事が必要です。
当事者が自分を認めてほしいと活動を行う事は自己を再構成して病気から快復する上で当然であり必要な行為です。世間の無理解や偏見の多い中孤立せざるを得ない状況の中少しでも心の受け皿になる環境がそろう事を願います。
その為には、世間一般の人が必要最低限の病気に対する知識とそれに基づく対応の仕方をもっていく事が必要です。