卵かけご飯と、魔法の白い粉の思い出
70代以上  大阪府
2017/07/30 6:09
卵かけご飯と、魔法の白い粉の思い出

前回、わくわっくまのオススメ日記についての日記を書いたところ

「ガロンがオススメに選ばれた日記を読んでみたい」

というご要望を、いくつかいただきました。



そこで、オススメ日記4000件を収録する、ワクワクの巨大データベースから自分の名前を探し出してみた。


自分の日記を自分で探す、ちゅうのもけったいな話やけど(笑)


(ちなみに、一番最近にくまのオススメに選ばれた日記は

「チンコ知能の女子〇生なんちゃら・・・」

とかいうお笑い日記で、これはあまりにあほくさい内容なので、自分の記憶から抹消してあります 笑)




今回は、その中の一編を再アップさせていただきます。

これは、6年前に書いたものです。




↓ ↓ ↓ ↓ ↓



【卵かけご飯と、魔法の白い粉の思い出】




後輩を連れて、よく飯を食いに行く。


こう書くと、面倒見のいい先輩のようだが、実際は、寂しいから後輩に遊んでもらっているみたいな、情けない先輩なのだ(笑)



飲んで食って、〆を頼もうとしたら「卵かけご飯(100円)」があった(安)


注文して、後輩は生卵に醤油を、俺はさらに旨み調味料(味の〇)をかけた。

「なんで、そんなんかけるんですかぁ・・・?」

怪訝そうな後輩。



そこには、思い出があった。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆



小学校低学年の頃の話。



ぼくが生まれ育ったのは、いわゆる貧乏長屋だった。

貧しいけど、人情味溢れる人が、たくさん住んでいる。



その一角に、なぜか一軒だけ、2階だての白壁の家があった。

お金持ちの家だった。



そこに、透き通るくらい色の白いお姉さんが住んでいた。

20歳くらいだろうか。

でも、とてもちっちゃなお姉さん。



お姉さんは体が弱くて、いつも家にいた。

ぼくをよく、かわいがってくれた。



お姉さんは、学校もほとんど通えず、家で一人、本を読んで勉強していた。

頭がよくて、いろんな知識を教えてくれる。

子供向けの本も、いっぱいくれた。



「元気になって、仕事したいな。お嫁さんにもなりたいな。でも誰もこんな体の弱いお嫁さん、欲しくないやろうけど・・・」

寂しそうな口癖のお姉さん。



「ぼくが大人になったら、お嫁さんにしたるわ」

今考えれば、顔が赤くなるような子供の台詞に、本当に嬉しそうに笑ってくれた。



「お腹減った」

ぼくが言うと



「ぼうは、何が食べたいの?」

と聞くから



「卵かけご飯」

を頼んだ。



お姉さんはお金持ちだったから、そんなのは、食べたことがなかったようだ。

ぼくが説明すると、お姉さんは、ご飯に生卵と醤油、なぜか「味の〇」をかけて作ってくれた。



味の〇はかけたことがなかったから

「こんなん、かけんでええんや」

て言うと、お姉さんは、とても悲しそうな顔をした。



ぼくは申し訳ない気持ちになり、ご飯を食べた。



いつもの卵かけご飯より、はるかに美味しく感じたから、

「かけた方が美味しいな」

と言うと、お姉さんも食べる。



「これ美味しいね」

ニコニコしていたよ。



それから、遊びにいくと必ず、特製の卵かけご飯を作ってくれるようになった。




お姉さんが、また入院することになった。

「すぐ帰ってくるわよ」

笑顔で言っていた。




お姉さんは、すぐに帰ってきた。



白い木の箱に入って・・・



人の死と言うものがまだよく分かっていなかったぼくは、悲しみより、腹立たしかった。

そんな狭いとこに閉じ込められているお姉さんが、かわいそうで仕方なかった。



☆☆☆☆☆☆☆☆



今でも時たまに、卵かけご飯を食べるとき、旨み調味料をパラッと振りかける。

すると、魔法の白い粉は、懐かしいお姉さんの顔を浮かびあがらせ、幼かったあの日に、たちまち呼び戻してくれるのだ。
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