卵かけご飯と、魔法の白い粉の思い出
前回、わくわっくまのオススメ日記についての日記を書いたところ
「ガロンがオススメに選ばれた日記を読んでみたい」
というご要望を、いくつかいただきました。
そこで、オススメ日記4000件を収録する、ワクワクの巨大データベースから自分の名前を探し出してみた。
自分の日記を自分で探す、ちゅうのもけったいな話やけど(笑)
(ちなみに、一番最近にくまのオススメに選ばれた日記は
「チンコ知能の女子〇生なんちゃら・・・」
とかいうお笑い日記で、これはあまりにあほくさい内容なので、自分の記憶から抹消してあります 笑)
今回は、その中の一編を再アップさせていただきます。
これは、6年前に書いたものです。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
【卵かけご飯と、魔法の白い粉の思い出】
後輩を連れて、よく飯を食いに行く。
こう書くと、面倒見のいい先輩のようだが、実際は、寂しいから後輩に遊んでもらっているみたいな、情けない先輩なのだ(笑)
飲んで食って、〆を頼もうとしたら「卵かけご飯(100円)」があった(安)
注文して、後輩は生卵に醤油を、俺はさらに旨み調味料(味の〇)をかけた。
「なんで、そんなんかけるんですかぁ・・・?」
怪訝そうな後輩。
そこには、思い出があった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
小学校低学年の頃の話。
ぼくが生まれ育ったのは、いわゆる貧乏長屋だった。
貧しいけど、人情味溢れる人が、たくさん住んでいる。
その一角に、なぜか一軒だけ、2階だての白壁の家があった。
お金持ちの家だった。
そこに、透き通るくらい色の白いお姉さんが住んでいた。
20歳くらいだろうか。
でも、とてもちっちゃなお姉さん。
お姉さんは体が弱くて、いつも家にいた。
ぼくをよく、かわいがってくれた。
お姉さんは、学校もほとんど通えず、家で一人、本を読んで勉強していた。
頭がよくて、いろんな知識を教えてくれる。
子供向けの本も、いっぱいくれた。
「元気になって、仕事したいな。お嫁さんにもなりたいな。でも誰もこんな体の弱いお嫁さん、欲しくないやろうけど・・・」
寂しそうな口癖のお姉さん。
「ぼくが大人になったら、お嫁さんにしたるわ」
今考えれば、顔が赤くなるような子供の台詞に、本当に嬉しそうに笑ってくれた。
「お腹減った」
ぼくが言うと
「ぼうは、何が食べたいの?」
と聞くから
「卵かけご飯」
を頼んだ。
お姉さんはお金持ちだったから、そんなのは、食べたことがなかったようだ。
ぼくが説明すると、お姉さんは、ご飯に生卵と醤油、なぜか「味の〇」をかけて作ってくれた。
味の〇はかけたことがなかったから
「こんなん、かけんでええんや」
て言うと、お姉さんは、とても悲しそうな顔をした。
ぼくは申し訳ない気持ちになり、ご飯を食べた。
いつもの卵かけご飯より、はるかに美味しく感じたから、
「かけた方が美味しいな」
と言うと、お姉さんも食べる。
「これ美味しいね」
ニコニコしていたよ。
それから、遊びにいくと必ず、特製の卵かけご飯を作ってくれるようになった。
お姉さんが、また入院することになった。
「すぐ帰ってくるわよ」
笑顔で言っていた。
お姉さんは、すぐに帰ってきた。
白い木の箱に入って・・・
人の死と言うものがまだよく分かっていなかったぼくは、悲しみより、腹立たしかった。
そんな狭いとこに閉じ込められているお姉さんが、かわいそうで仕方なかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
今でも時たまに、卵かけご飯を食べるとき、旨み調味料をパラッと振りかける。
すると、魔法の白い粉は、懐かしいお姉さんの顔を浮かびあがらせ、幼かったあの日に、たちまち呼び戻してくれるのだ。