暗闇からとつぜん現れた少年のミステリー
世の中には、不可思議で怪しく謎に満ちたできごとがたくさんございます。
今回はそのような中から、いまだに解明されていない恐ろしい実話ミステリーをご紹介いたしましょう。
怖いけれど、たまらなく悲しい物語であります。
★ ★ ★
時は1828年。
聖霊降臨祭の終わったドイツ南部の町に、10代半ばくらいの少年がとつぜん現れた。
ボロボロの衣服をまとい、フラフラとした足取り。
「僕は、兵隊さんに、なりたいんだ」
と、たどたどしく繰り返すだけで、会話もままならい。
町の住民は誰も見たことがない、怪しげな少年だった。
渡された紙と鉛筆で
「カスパー・ハウザー」
と自分の名前だけは書くことができた。
少年は一通の手紙を手にしていた。
騎兵隊の中隊長にあてたその手紙には
「この少年の面倒をみてやってほしい。それがかなわぬなら殺してもらってもかまわない」
という内容が、誤字や文法間違いの多い文章でつづられていた。
★ ★ ★
保護されたこのカスパー・ハウザーと名乗った少年は、3,4歳児くらいの知能で発育がとまっていたようだ。
身体の発達も未熟だったため、まともに歩行もできなかった。
食べ物はパンと水しか受け付けず、それ以外のモノを口にすると吐き出してしまう。
その反面、感覚器官がとてつもなく研ぎ澄まされていて、暗闇の中で目が見えたり、遠くの微かな物音も聞き分けることができた。
カスパー・ハウザーはいったい何者か?
どこからやってきたのか?
すべてが謎だった。
★ ★ ★
多くの学者によって彼の調査が開始され、言葉を教えられ、少しづづカスパー・ハウザーは知能を発達させていった。
そして驚愕の事実が明らかになる。
彼は
「奥行き2メートル、幅1.2メートル、高さ1.5メートルほどの、真っ暗な牢獄で育てられた」
ことを語った。
まっすぐ立つこともできず、腰掛けるか横になるしかできない暗い密室。
牢獄と言うよりは「箱」とも表現できるような狭い空間。
そこでカスパー・ハウザーは育ったのだ。
パンと水だけを与えられ、他人と接触することをいっさい禁じられていた。
唯一与えられたものは、木彫りの馬のおもちゃだけだった。
誰が何のためにそのような育て方をしたのか?
それはまったく分かっていない。
★ ★ ★
カスパー・ハウザーが保護されてから数年後。
教育を受け、温情ある人に養育され、これから幸せを取り戻していこうかという矢先。
彼はその数奇な人生をとつぜん終えることになってしまう。
「おまえの出生の秘密を教える」
と書かれた手紙で公園に誘い出された彼は、そこで待ち構えていた正体不明の男によってナイフで刺されてしまったのだ。
その傷がもとで、数日後この世をさる。
カスパー・ハウザーの暗殺には謎がつきまとう。
一説には、彼は高貴な血筋の私生児で、世に公表できない存在だったとも噂されていた。
口封じのために殺されたのでは、とも言われる。
しかし後の研究では、それは否定されている。
カスパー・ハウザーがどこで生まれ、なぜ密閉された空間で育てられ、そして世に出され、いかなる理由で殺されてしまったのか?
そこにどのような陰謀があったのか。
出生から終焉まで、そのすべてが闇に包まれてしまった。
そして真実もまた、闇の中へと消えてしまったのだ。
★ ★ ★
僕がこのカスパー・ハウザーの話を知ったのは少年の頃に読んだ
「世界の不思議物語」
とかいう本だったかな。
その本には、怖いミステリーがたくさん書かれていた。
UFOだとか幽霊だとか雪男だとか・・・
だけどその中で一番身震いしたのが、カスパー・ハウザーの話だった。
恐ろしくて、とても哀れでもの悲しい。
これは実話であることが何より恐ろしく、未知なる怪物なんかよりも、人間の持つ邪悪さとかの闇がいちばん怖いのだということを、子供心に知った思い出がある。
【写真】
カスパー・ハウザーの像
コメント
2017/11/15 20:03
32. >>30 寅次郎さん
こんばんは。
文字の無かった、あるいは庶民にまで浸透していなかった時代は、口伝の重みが今では考えられないくらい重要やったんやろね。
大切なことは文字にせず、敢えて口伝えにしたとも聞くし。
お遍路にまつわる口伝、そこには深い歴史があって面白そうですね。
ぜひ伝承していってください。
返コメ
2017/11/15 20:00
31. >>29 ⋈*.。結⋈*.。さん
この話は、いろいろな推理だとか説だとかが入り乱れているねん。
でも真相はいまだに解明されていない。
いずれにしても不憫きわまる事件だと思う。
もしこれが自分だったらと考えたら、恐ろし過ぎる。
平凡な人生が一番幸せなのかもね。
返コメ
2017/11/15 13:01
30. こんにちは〓。
今のような情報社会で無かった時はこういうのが多かったですね…、お遍路なんかも口伝で伝わってる事が多いですね。
返コメ
2017/11/15 12:32
29. 今読みました→遅っ![[あせあせ(飛び散る汗)]](https://img.550909.com/emoji/ic_asease.gif)
勝手な推測
箱の中で育てた生きても死んでもいい人間だったハズ
だけど、幸せに暮らしてるのを知った
親か飼い主がわからないけども、幸せに暮らしてるのが許せなかった→自分の中から本当の意味で巣立つのが嫌だった勝手な大人
と推測してみましたが。。。
今こうして自由に生きられてる私達は本当に幸せですよね。。。
胸が苦しくなりました(ノω`)
返コメ
2017/11/14 20:28
28. >>27 じゅん(๑ت๑)〓さん
こんばんは。
養育された数年間で、彼は知的にも驚くような進化があったらしいんよ。
だからきっと、自分のおかれていた環境と今を比べて、そこに幸せを見いだせたんやないかな。
きっとそうだと思う。
場合によっては、生涯を監禁されたままで終えたかもしれないからね。
返コメ
2017/11/14 19:55
27. ガロンさんこんばんは!
心ある人に短い間でも育てられた時どう感じてたのでしょう?
幸せだと思える感情が残っていてくれたのなら少しだけ救われますね
返コメ
2017/11/14 7:08
26. >>25 てんこさん
おはよう。
アンビリバボーはどうか分からないけど、確か映画にはなっていたと思う。
もしかしたらレンタルショップにあるかも。
俺も映像で観てみたいな。
それにしても、これは恐ろしい話です。
返コメ
2017/11/14 6:54
25. おはよう~
興味深い実話なんですね。
ビートたけしのアンビリバボーで
内容載せていたならば
見たと思う。
( ゚ε゚;)
返コメ
2017/11/13 19:04
24. >>23 †まゆ†さん
お疲れさん。
この事件は、やるせない気持ちになるよなあ。
どういう出生の秘密があったにせよ、少年にはなんら責任がないことやん。
残虐非道な話だよ。
世の中には様々な犯罪があるけど、弱い立場の者を標的にした犯罪ほど卑劣なものはない。
ほんま、いろいろと考えさせられるねん・・・
返コメ
2017/11/13 18:31
23.
番茶( ^-^)_旦~
何の為に命を授かったんだろう。
残虐なある一部の大人達の考えで
翻弄されて…色々考えさせられるね。
人の温もりを知り数年過ごせたのが救い
毎日お疲れ様。
返コメ