狼に育てられた少女のミステリー
昨年の11月。
「暗闇からとつぜん現れた少年のミステリー」
というタイトルの日記を書きました。
箱の中で育てられた少年、カスパー・ハウザーの恐ろしくも哀しい実録です。
少年がいったいどこからやって来たのか、なぜ箱の中で育てられたのか、その生涯がいっさい闇の中に包まれて今でも謎となっています。
その時
「今度は狼少女の話も日記に書いてほしいと」
何人かの方より、リクエストをいただきました。
時間はかかりましたが今回、そのテーマを取り上げてみたいと思います。
★ ☆ ★ ☆
1920年、現在のインド西ベンガル州のある村が事件の発端だ。
孤児院を運営するキリスト教伝道師が、不気味な噂を耳にした。
「ジャングルの狼が住む洞穴には魔物がいる」
と。
村人は恐ろしがって、そこへ近づこうとはしない。
関心を持った牧師は果敢にも、ジャングル奥深くへと入っていった。
そして狼の洞穴で、不思議な生き物を二体発見する。
最初は「毛の抜けた狼か」と思ったが近づいてみると・・・
「これは人間の子供ではないか!」
牧師は驚きの声をあげた。
狼といっしょにそこにいたのは、なんと裸のままの人間の子供だったのだ。
★ ☆ ★ ☆
二人の子供はすぐに保護された。
年長の8歳くらいの子は「カマラ」、年少の1歳半と推定された子は「アマラ」と名づけられた。
この二人の少女、言葉を話すことも理解することもできなかった。
獣のようなうなり声をあげるだけである。
手を差し出すと怯えて、ひっかいたり噛みついたりした。
立ち上がることができず、4本の足で歩いた。
洋服を着せようとするとビリビリに破く。
テーブルで食事させようとしても、それを拒否し床で食べた。
調理された物は受け付けず、生肉を好んだ。
聴覚が異常に鋭く、暗闇でも目が見えるようだった。
いったいこの子たちは何者なのだろうか?
★ ☆ ★ ☆
牧師は次のように推理した、
この姉妹と推測される二人は、何らかの事情でジャングルに遺棄されたのだろう。
当時の社会では、子供の遺棄は珍しいことではなかった。
もちろんそのままでは生きていけない。
狼によって二人の子供は養育され、今日まで生き延びられたのだと。
小さな方のアマラは1年後に病気で亡くなった。
妹のアマラが亡くなった時、姉のカマラは魂が抜けたようになり、ずっと亡骸のそばから離れようとしなかったということだ。
周りの懸命な介護やサポートにより、3年後にカマラは2本足で立つことができるようになった。
言葉もいくつかの単語は理解できるようになり、簡単な会話も行い、服を着てテーブルで食事をするようになった。
最初に保護されてから9年後、カマラも病気で世を去った。
カマラもアマラも短い生涯だった。
★ ☆ ★ ☆
このカマラとアマラの話に対して、疑問を持つ者も少なくない。
「狼が人間を育てるなんてありえない!」
とその信ぴょう性を疑う者も多数いる。
はたしてそうだろうか?
「オオカミ」というと凶暴な喩えに用いられたりするが、実はとても頭が良く社会性のある動物であると言われている。
愛情深くて、人間にとても近い生き物らしい。
僕が知っている人の家で飼っていたメス犬の話だが、その家の人が捨て猫を保護した時だ。
その犬は、まるで我が子のようにその子猫をかいがいしく世話を始めたらしい。
もちろん乳は出ないのだけど、寝るときは一緒に寝て暖め、いつも舐めては毛づくろいしたりしていた。
危ないとこへ行こうとするとくわえて運んでやったり、まるで本当の親子のようだった。
動物が他の種の世話をすることは、いくつも報告されている。
だから狼が人間の子供を世話をしたとしても決して不思議ではないと、僕は考える。
狼以外にも、豹であったり熊であったり、いろいろな動物の報告例がある。
日本でも明治時代、ニホンザルに育てられたという男性が発見されている。
このように人間社会から隔離されて育てられた子供は「野生児」と呼ばれ、社会心理学や発達心理学の研究テーマにもなっている。
これらはすべてが嘘なのだろうか?
★ ☆ ★ ☆
世の中の数いる生き物の中で、いちばん他の生き物を殺生しているのは間違いなく人間だろう。
同じ種族同士で殺し合いを行うのも、人間がダントツだ。
それに比べたら無益な殺りくを好まない他の動物の方がはるかに知性があって優しさを持っている、と言ったら言い過ぎだろうか?
「人間がいちばん偉い」
なんていう考えは、人間が持っている最大の思い上がりだと思う。
狼に育てられた少女の話、あなたは信じますか?
「ねつ造だ」との声もある中、僕はずっと信じている。
コメント
2018/06/10 13:06
15. >>12 アギーさん
この話を初めて知ったのは子供の頃でね。
その時のインパクトが強すぎたから、反論本とかに手がでなくて・・・
ミスター高橋の例の本を読んだ時みたいなあの絶望感を味わいたくない(笑)
キリスト教の「布教」って、「侵略」の言い換えだよなあ。
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2018/06/10 13:01
14. >>11 みこさん
うん、動物は基本、生きるために他の生命を奪うけど、人間て「むしゃくしゃする、殺す経験がしたかった」とかで殺人をおかしてしまうんよね。
もしかしたら、動物の方が人間より進化した形態かもしれないな。
その先生の言うことも分かる気がする。
樹齢何千年とかの樹木とか、近くにいるだけで壮大なパワーを感じるもんね。
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2018/06/10 12:55
13. >>10 マグロ男さん
舞台がインドっていうところが、何とも言えないイマジネーションをかきたててくれるんよね。
ある意味あそこは、プロレス的な感覚が息づいている国でしょ。
ヨガの行者とか、ギミックなのか本物なのかよくわからなかったりする。
若いころヨガとか気功にハマりまくっていたので(笑)
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2018/06/10 12:33
12. これ、本の文章がかなり詳細なんだよね。
医学的な報告書って、この時点で完成されてたんだなぁ、と感じたよね。
生物としては有りうるけど、環境意外に発達障害の可能性も捨てきれない。
キリスト教は、自然の克服が神の意思的な所があるから、よりセンセーショナルだったかもね。
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2018/06/10 12:19
11. こんにちは(・∀・)ノ
![[たらーっ(汗)]](https://img.550909.com/emoji/ic_taraaa.gif)
人間でも生まれたばかりや幼子だと野生に近いと思うので、狼からしたら餌というより保護対象になったのかな?…と思います。
ほんと、無駄な殺生するのは人間だけですよね(^-^;
ライオンとかは、お腹空いてなければ目の前に草食動物いても襲わないし。
純粋に生きるための殺生。
人間は興味とか妬み、快楽殺人なんてありますもんねー
ちなみに茸類や犬、樹木の方が霊性が人間よりよほど高い…と、私の先生が言ってました
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2018/06/10 12:00
10. 異種属間での家族形成や代理授乳は良くある話ですし、一概に興行師の仕込みとも思えないケースもままありますよね。
『野生のティッピ』とか見ると写真だけでも猛獣と一緒に暮らせる事が伝わってきますし。
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2018/06/10 9:58
9. >>8 Ж鬼神Жさん
良いことを言うね。
まさにその通りだね。
他者の痛みを知ろうとすること、それが大切だと思う。
平然と虐待や殺人をおかすものは、人間でも動物でもない、悪魔だよ。
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2018/06/10 9:47
8. >>6 ガロンさん
子供には力がなく
大人には力がある
虐待をしている大人も同じように
痛みを分からないとね(´・ω・`)
罪もない子供を殺すなんて
腹が立ちますね( ・`ω・´)
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2018/06/10 9:36
7. >>5 黒の獅子王さん
俺はけっこういろいろなことを信じるタイプなんや。
UFOも幽霊も超能力も。
サンダとガイラ、懐かしいな。
液体人間とか電送人間とかも好きだった。
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2018/06/10 9:32
6. >>4 Ж鬼神Жさん
おはよう。
いろいろな動物に育てられた例があるんよ。
日本にもある。
それらが全部嘘だと考える方が不自然だよね。
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