死を待つ間の長い空白の一瞬一瞬を終わらせていく呪術
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表題は、昭和を代表する小説家の一人であった三島由紀夫の言葉だ
三島は、洗練された独特の比喩で、こんな内容のことを書いている
「走ることは、非日常な負担をかけて日常の停滞した感情を洗い流す復活の秘儀だ
一方で、書くという行為は、死を待つ間の長い空白の一瞬一瞬を終わらせていく呪術だ」
肉体的に極度の劣等コンプレックスを抱えていた三島は、中年になってから肉体を鍛え始めた
痩せこけた貧相な肉体を、ボディービル、ボクシング、剣道、空手などで鍛え上げた
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昭和45年11月25日、三島は自ら組織した楯の会の隊員4名と共に、自衛隊市ヶ谷駐屯地に突入
そこで壮絶な割腹自殺をした
憂国の思いからの自決だったと言われる
もしかしたら三島は、自決のための死装束を、自らの筋肉で纏っていったのかもしれない
小説家の大藪春彦は三島の死をあっさりと
「小説が書けなくなったからだろう」
と切り捨てていたが、三島の心の奥底に秘めた真意は、誰にも分からない
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言っておくが僕は別に三島の愛好家(ファン)でもなんでもない
彼の小説はけっこう読んだが、深く傾倒もしなかった
ただ自分も、肉体的な劣等コンプレックスの塊だった
だからコンプレックスが肉体を鍛える原動力になることだけはよく分かる
僕自身、身長が178cmに対して体重が53㎏ほどしかなかった
ガリガリに痩せていた
今の時代なら、個性や多様性とか言われ、痩せていても「スレンダー」として受容されたりする
しかし昭和のスポ魂時代はそうはいかない
痩せこけた男など「軟弱」との一言で切り捨てられ、からかいや嘲りの対象にされた
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そんな自分が嫌で、変えたくて、僕はトレーニングを始めた
腕立て伏せやスクワットにプラスし、手作りのトレーニング器具などを使って、筋肉を苛め抜いた
当時はほとんど知られていなかったプロテインも買って飲んだ
おかげで筋肉がつき、20kgほど体がデカくなった
三島の言う
「非日常な負担をかけて日常の停滞した感情を洗い流す復活の秘儀」
が成功したのかもしれない
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19歳の時だった
とある小説のコンクールに応募した僕の短編小説が入選した
まあ入選と言っても大賞ではなく、佳作だったけれど
若くて未熟だった僕は大いに勘違いをした
「自分にはとてつもない文才がある」
と思い上がってしまう
文才は無かったようだけど、文章を書くことは好きになった
おかげで今も、ワクワクメールの片隅にある日記コーナーで書いている
ブログでも有料の投稿サイトでもなく、出会い系サイト
この場末の淫美な場所こそが僕には居心地が良く、似合っている気がする
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三島の
「書くという行為は、死を待つ間の長い空白の一瞬一瞬を終わらせていく呪術」
という言葉
これは実感は伴わないが、ぼんやりとして感じ取れる部分がある
もし書くことをしていなければ、もっと毎日が空虚だった気もする
呪術というと「呪い」めいた言葉に聞こえるが、本当はそうではない
「超自然的・神秘的なものの力を借りて、望む事柄を起こさせること」
が本来の意味だ
人を呪うとかそういうことではなく「魔術」に近い
一つ確実に言えるのは、ワクワク日記を十数年書き続けていたおかげで、多くの出会いが会ったということだ
出会いの魔術である
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ところでゴリゴリの右翼みたいに思われている三島だが、SFっぽい小説なんかも書いていたりする
「美しい星」という小説だ
宇宙人や空飛ぶ円盤が出てくる異色作
あと「豊饒の海」という生まれ変わり(輪廻転生)を扱った作品もある
江戸川乱歩の世界を耽溺していたり、美輪明宏と交流があったり、男色家としても有名だ
耽美な世界への拘泥
これもまた三島の魅力だろう
コメント
2024/09/25 7:44
7. おはようございます!
小中高と本を読みまくったので、三島も読んではいます。
あんまり記憶に無いけど。
身体的コンプレックスですか~
確かに身長とかは厳しいけど、筋肉を付ける事は出来ますね。
武田真治も「筋肉は裏切らない!」と言っていました。
私も下半身強化したいです…
したい、だけでは駄目ですよね。
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2024/09/25 7:02
6. >>5 マリネさん
やったやった(笑)
正岡子規とか特に落書きしやすかったわ
髪の毛増量して髭もじゃにして
アデランスかって
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2024/09/25 6:58
5. >>4 力″ 口 ンさん
あたしはいつも
教科書にらくがきしてたわ
( ᵔ𐃷ᵔ )ゞエヘヘ
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2024/09/25 6:57
4. >>3 マリネさん
おはようさん ^^) _旦~~
走れメロスは太宰治だね
三島は太宰のことを毛嫌いしていた
太宰もよく読んだなあ
好きな作家じゃないけど
今は教科書に昔の文豪とか載らないみたいやね
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2024/09/25 6:53
3. おはよぉガロ兄ちゃん
٩(๑>∀<๑)۶
教科書にのってた
走るメロスの人かな
(*꒪꒫꒪)?
てもあたしは
ガロン兄ちゃんの文章がいちばんすきよ
ワクワクの日記王だからね
❀(*´▽`*)❀
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2024/09/25 6:28
2. >>1 アギーさん
機会があれば、三島と大藪の対談を読むとおもしろいよ
大藪が「三島先生のためだったら死ねますぜ」と言ったり
太宰の評価を巡って対立し喧嘩腰になったり
お互いがベクトルの違うダンディズムを持ってたからね
どちらもナルシストだったのも間違いない
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2024/09/25 6:15
1. 「門松は冥途の旅の一里塚」とか「メメントモリ」を思わせるよね。
死に方が拗らせてたけど、逆にナルシズムに悩んでたようにも感じる。
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