これは今から２年程前の話になります。

俺の知人の娘さんで、なっちゃんとゆー女の子(当時５歳、今も元気ですご心配なく。)がいます。

実はこのなっちゃん、食物アレルギーで、卵と乳製品が食べられませんでした。(今はどうなったのかちょっと分かりません)

今の時代、小さな子供の食物アレルギーとゆーのはそれ程珍し話では無いのですが、ある日ちょっとした事件が起こりました。

幼稚園の給食で初めてメロンパンが出たそうなんです。

ですが、メロンパンとゆーのは、上に乗っかっているクッキー生地に、卵と乳製品(バター)を使っている為に、当然なっちゃんは食べる事が出来ません。

他のお友達が、
「メロンパン美味しいね！」

っと美味しそうにメロンパンを食べている中で、なっちゃんは一人でジャムパンを食べていたそうです。

それでもなっちゃんは、
「ジャムパンも美味しいよ。」
っと笑っていたそうです。

しかし帰宅後…、

なっちゃんは部屋の片隅で膝を抱え、声を殺して泣いていたそうです。

いつもお友達がおやつの時間に、チョコレートやクッキーを食べている中で、
「私のおやつはこれだから。」
っと言ってお煎餅や牛乳を使っていないビスケットを食べているなっちゃん。

日頃からこういったシチュエーションは慣れているはずのなっちゃんが、悔しさと悲しさに絶え切れず一人で泣いていたそうです。

その小さな胸は、どれ程痛んでいたのか計り知れません。

皆さん、どう思いますか？
いじらしいと思いませんか！
何とかしてあげたいと思いませんか！

なっちゃんに美味しいメロンパンを食べさせてあげたい！

実は俺、料理とお菓子作りにちょっと自信がありまして、自分でパンやクッキーを焼いたりもするんです。

だから逆に状況が厳しい事も分かるんです。

でもなんとかしてあげたい！

俺は持っている全ての知識と友人、知人の意見を元に、卵と乳製品を使わないメロンパンを作る事に成功しました

しかも、試食した人達からは、
「これ普通のメロンパンよりも美味くねっ」

っとゆーレベルの物を作る事が出来ました。

早速俺は出来たてのメロンパン12個に、
「これはなっちゃんの体に悪い物は入っていません。安心して食べてね。」
っとゆー手紙を添えて、なっちゃんの家に送りました。


数日後…
届いた包みを開けた時のなっちゃんの顔を、
「一生忘れる事が出来ないと思う。」

っとゆー手紙とメロンパンを頬張るなっちゃんの写真が我が家に届きました。

何かお礼を…、とも言われましたが、満面の笑みで俺の作ったメロンパンを食べているなっちゃんの写真を見たら、
「これで十分でしょ！」
っとゆー気分になりました。